大リーグだけじゃない米国のスポーツビジネス市場

今回は、スポーツ大国といわれるアメリカのスポーツビジネスに話を移してみましょう。

日本でもなじみのあるアメリカのスポーツといえば、メジャーリーグベースボール(MLB)、いわゆる大リーグですね。イチロー選手や松坂大輔選手の活躍は、日本だけではなく、アメリカのメディアもにぎわすほどです。

アメリカでも絶大な人気を誇る大リーグですが、ほかにNFL(アメリカンフットボールリーグ)、NBA(北米プロバスケットリーグ)、NHL(北米プロアイスホッケーリーグ)という人気スポーツがあります。これらは、4大メジャースポーツと呼ばれエンターテインメント性が高いこともあり、多くの国民に親しまれています。

この4大メジャースポーツが稼ぎ出すお金は半端な額ではありません。それぞれ年間の試合数が異なるため単純には比較できませんが、MLBは約6000億円、NBAは約3517億円、NHLは約2338億円(いずれも2008‐09年シーズン)の売り上げ規模を有しています。

なかでも突出しているのはNFL。レギュラーシーズンの年間試合数はわずか16試合だけですが、優勝決定戦となるスーパーボールを含めた年間売り上げは、7913億円と4大メジャースポーツの頂点に君臨する売り上げ規模です。

4大メジャースポーツの各リーグに所属する計122球団が稼ぎ出す額は、200億ドル(2008年度)、日本円に換算すると約2兆891億円。第3回コラムで紹介した、サッカービジネスで最も成功したといわれる英国プレミアリーグの市場規模(3758億円)と比べると、NFLの市場規模(7913億円)は2倍以上、4大メジャースポーツで比較すると、なんと5倍以上です。スケールが違いますね。