2012年4月放送分

勝ち取った一票 ~中国 烏坎(うかん)村 闘いの記録~

  放送: 4月 7日(土)22:00~22:49
 再放送: 4月 8日(日)20:00~20:49

昨年9月、中国広東省にある人口わずか1万3千の村・烏坎(うかん)で起きた抗議行動が中国全土を震撼させた。事件の発端は40年間にわたって選挙をごまかし、村長の座に居座り続けた共産党幹部による土地の転売だった。12月21日、村代表と広東省トップとの直接談判が行われ、政府がこれまでの強硬な姿勢を崩して、村人たちの訴えを正当な要求として認めた。また当局は村民たちが自ら投票で選んだ代表をも認めた。中国ではきわめて異例のことである。番組では烏坎村で起こった事件を通して、大きく変わろうとする、中国・民主主義の未来を見つめる。

嘆きのギリシャ ~700ユーロ世代の真実~

  放送: 4月14日(土)22:00~22:49
 再放送: 4月16日(月) 0:00~ 0:49

ヨーロッパの経済危機の発火点になったギリシャ。深刻な財政危機が表面化してから初めての総選挙が近々行われる。そんな中、注目を集めているのが、“700ユーロ世代”と呼ばれる若者たち。働きたくても仕事がない、働いても月700ユーロ足らずしか稼げないことから、この名がついた。社会保障の手厚さにひきかえ、国民の労働意欲が低いことが財政危機の原因と国際社会から非難されるギリシャだが、EUの共通通貨ユーロ導入後、バブルが起き、膨大な国費が使途不明金となっている。700ユーロ世代は、こうした債務の開示を求めて、連日デモを繰り広げている。若者たちの置かれた状況と、彼らの訴えから、ギリシャ危機の真実を見つめる。

企業が国を訴える ~エルサルバドル 自由貿易協定を巡る攻防~

  放送: 4月21日(土)22:00~22:49
 再放送: 4月22日(日)20:00~20:49

今、世界を席巻する自由貿易協定。日本もTPPに参加すべきか、賛否両論が渦巻いている。特に大きな議論となっているのが、ISD条項。この条項は、外国企業の投資を保証するため、投資家が国の恣意的な規制で損害を被った場合、国を国際仲裁機関に訴えることができるものだ。これを根拠に、過去20年で200件近く、国が訴えられる事例が起きている。アメリカ・中米自由貿易協定(CAFTA)に加盟するエルサルバドルは国が環境汚染を理由に、金採掘に規制をかけた結果、カナダの金採掘企業から訴えられた。国際協定を優先すべきか、法律や規制など国の主権を優先すべきか。中米の小さな町を舞台に、仲裁の行方と、自由貿易協定に揺れる人々を見つめる。