100年後に地震が来る可能性もあるが、計算上無視できるほど低い。そのため実際の 計算では0~48年付近の面積を“ほぼ100%”と扱う
図版製作/山里將樹
地震に関する報道を目にすることが多くなった昨今。「●年以内に地震が起こる確率は●%」という表現もよく見かける。ところでこの確率、そもそも何を100%として算出しているのか? 文部科学省・地震調査研究推進本部事務局に話を伺った。
「例えば、“今後10年間に地震が起こる確率が100%”という場合、その10年のどこかで、確実に1回地震が起こることを示しています」
“30年以内にマグニチュード7級の地震が起こる確率が70%”の場合で考えてみよう。これは同本部が実際に出した予測で、過去120年で同規模の地震が5回起こった、という事実から導いた数値だ。
「120年間に5回地震が起こったなら、単純に考えて24年に1回の周期で地震が起きている計算になります。つまり、前に地震が起こってから24年目に近づくほど、次の地震は起こりやすいと考えるわけです」
そのとき、地震の起こりやすさをグラフにしたのが上の図。見ての通り、“地震発生から24年目を頂点とした山型になる。この斜線の面積全体(赤斜線部分+青斜線部分)が“100%地震が起こる確率”だ。30年の間に次の地震が起こる確率は、図の赤斜線部の面積をグラフ全体の面積で割った割合になる。前に地震が起きてから50年後、60年後ならば、起こる確率は100%に近付くわけだ。
ただ、このグラフは文部科学省の方式で、算出方法は各研究機関によって異なる。地震が起こる確率にバラつきがあるのはそのためだ。
こうして図にしてみると、地震が起こる確率は非常に高いように見える。なんだか怖くなってきた…。
「神経質になる必要はありません。この確率の算出に使われた記録はわずか5例。“データも少なく信頼性は中程度”との評価です。結局、確率は目安に過ぎません」
何%だろうと、地震はいつかやってくる。怖がる前に自宅の備えを見直そう。
(森石豊/Office-Ti+)
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