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原発再稼働の動きに怒り 国会事故調に

2012年04月22日

●国会事故長が浪江町から聞き取り

 原子力発電所の事故原因を検証する国会の事故調査委員会は21日、二本松市で第10回委員会を開いた。意見交換の時間では1年以上避難生活を強いられている町民から、原発再稼働に向けた政府の動きに対する怒りの声が上がった。

 会場には浪江町民ら傍聴人が181人集まった。

 参考人として招かれた馬場有町長は、震災直後に国や東電から原発事故の情報が入らず、テレビなどの情報を頼りに町民を避難させた経緯を説明。緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)のデータが伝わらなかったことを批判し「危機管理に対する意識の希薄さが被害を大きくさせた」と訴えた。

●「国民の命ないがしろ」

 委員会後は事故調と町民が意見交換。政府が福井県の関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に向け地元の理解を求めていることについて、本宮市に避難中の今野秀則さん(64)は「事故調の結果も出ていない状態で再稼働するのは国民の命をないがしろにしているとしか思えない」と話した。

 黒川清委員長も委員会後の記者会見で昨今の政府の動きを「事故を経験した今も、国や政府には国民の生命を守るという視点が抜けている」と指摘した。ただ、事故調としては、原発再開の是非を判断する立場にないため、報告書には盛り込まない考えも示した。

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