鈴木明子、今季最後の演技で輝き　逆転でトップに　フィギュア国別対抗

　「決して良い演技ではなかった」。課題の３回転ルッツジャンプ２度のうち、１つが２回転になるなど不満の残る内容に、鈴木は苦笑した。それでも今季最後の演技で自己ベストを更新。逆転１位に輝き、日本の初優勝に大きく貢献した。

　好調だったわけではない。ニースでの世界選手権にピークを合わせて初の銅メダルを獲得したが、帰国から５日後の練習再開では「自分でもびっくりした」というほど調子が落ちていた。それでも経験豊富な２７歳は基礎練習から感覚を取り戻し、勝負強さを見せた。

　ソチ五輪まで残り２シーズン。まだ進退は決めかねている。ソチまでは現役続行と表明した高橋大輔とは、ジュニア時代からの仲良し。やりとりしてきたメールで「あっこ（明子）ちゃんはまだ宣言しないの」と突っ込まれても、「まだ全然」とかわしてきた。

　ただ、この日の演技後に「まだまだ満足できない。来シーズンは頑張ろうという気持ちになった」と前を向いた。成長を続ける遅咲きスケーターが、五輪プレシーズンに歩みを進める。（田中充）

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