ここから本文エリア 当選無効・新座の立川市議2012年04月21日
◇不服申し立て意向 「居住実態」に異議 2月の新座市議選で初当選したタレントの立川明日香市議(27)に対し、市選管は20日、当選無効の決定を下した。県選管によると、被選挙権がないとして当選無効になったのは県内で初めて。立川市議は県選管に不服を申し立て、議員活動は続けるという。 立川市議は、3月議会で初めて一般質問に立ったばかり。2月28日には取材に対し、「昨年9月ごろ市内に引っ越し、1人で住んでいる。練馬区に住む子どもを寝かせつけに行くことがあるが、夜は必ず帰っている」と説明していた。 しかし、市選管によると、水道は昨年10月から今年2月1日まで使用はなく、ガスは当選後の2月25日に供給契約していた。生活状況を尋ねると、「アパートで寝泊まりはしていた。水道水は飲まない。トイレは使わない」と話したという。 市選管の三木一明委員長は「選挙に出る候補には、よく自覚して対応してもらいたい」と話した。 立川市議は今後、21日以内に県選管に審査の申し立てができ、県選管は60日以内をめどに裁決する。県選管の決定に不服がある場合、裁決取り消しを求めて提訴できる。最終的には最高裁で確定するまで議員活動は続けられる。 県選管によると、県内では1991年の岡部町(現・深谷市)議選と2007年の杉戸町議選で、町民から当選者について異議申し出があったが、いずれも両町選管や県選管が棄却したという。 ◇有権者の反応は様々 同僚議員の反応は様々だった。 亀田博子議長(公明党)は「大変残念だが、厳粛に受け止めるしかない。政治を志すのは一人ひとりの権利だが、やり方をもう少し丁寧にすればよかったと思う」と話した。 所属会派「市民と語る会」代表の高邑(たかむら)朋矢市議は「立川市議なりにギリギリの努力をし、ガスも契約せず寝るだけの生活をしていたのに、居住実態がないとされて残念。同僚として、チームとして彼女を支えたい」と話した。 決定が確定するまで、市議選で法定得票数を超えた候補者に対し、供託金30万円は返却されない。ある市議は「戻ったら冷蔵庫やカーテンを買おうと思っていたのに……」と漏らした。 有権者の意見も分かれる。パート女性(43)は「市内に住んでいないなら無効は仕方ない」と話し、主婦(37)は「市内に住民票があれば、無効の必要はない」。男性会社員(29)は「議員活動さえしっかりやってくれればいい。せっかくなら若い人の方がいい」と話していた。 ◇「選管の判断 疑問感じる」 決定後、会見した立川市議は「選管の判断には疑問」と語った。主なやりとりは次の通り。 ――決定をどのように受け止めるか こういう結果になるとは予測できなかったので、考えている最中。混乱している部分もあります。 ――居住実態がない、という判断については 居住実態が何なのかという基準が私にはまだ分からない。きちんと説明してもらいたい。選管の判断には疑問を持っている。 ――水道が全然使われていない時があるが、どのように生活していたのか 追って文書できちんと回答したい。 ――新座市議選になぜ立候補しようとしたのか。縁はあるのか。 はい。友達が住んでいる。(前住所の)練馬区に隣接しているので、よく行き来していた。 ◇市町村議選の被選挙権 公職選挙法は「選挙権を有する者で満25歳以上」と定めており、選挙権は「満20歳以上で引き続き3カ月以上、市町村の区域内に住所を有する者」としている。 この「住所」について、最高裁は判例で「客観的に生活の本拠たる実体を必要とする」との判断を示している。
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