秋田県鹿角市の秋田八幡平クマ牧場で女性2人がヒグマに襲われ、死亡した事故で、えさやりや清掃を担当していた飼育員が具体的な安全対策を知らされていなかったことがわかった。2人の近くで作業をしていた男性飼育員(69)が21日、証言した。県警は同牧場の安全管理態勢に問題があった可能性があるとみて、業務上過失致死容疑で捜査を進めている。
県警によると、逃げ出した6頭のヒグマは、飼育施設の内側に積み上がった約4メートルの雪の斜面を踏み台にして、高さ約5メートルの塀を乗り越えたとみられる。この点について、男性飼育員は「飼育施設の内部は除雪をしていなかった。雪の山があったことは知らなかった」と説明した。
さらに男性は、経営者の男性(68)から「えさをやるときは柵の中に手を入れないように」との指示を受けた程度で、具体的な飼育方法についての指導は「なかった」と証言した。