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……コンタクト?
「ああ、ついに手に入ったのだ! この素晴らしきカラーコンタクトを!」
と、唐突に意味の分からないことを述べる厨二病。
どうせなにか力でもつかって作ったんだろうが、なにがそんなにうれしいのだろうか、絶賛はしゃぎ中である。
「これで……夢にまで見たオッドアイが……!」
その後、教師にカラーコンタクトを没収される腕に包帯を巻いたいたい人がいたとか。
いい加減厨二病から冷めてほしいものだ。
「くそぅ! なぜカラーコンタクトの魅力が分からないんだ!」
それは下校中、これまた唐突にそんなことを言ってのける厨二病。
よほどカラーコンタクトに未練があるのか、悶々と頭を抱えている。
まぁいつにでもなく無視を決め込んでいた俺だったが、今回は少し違った。
「そうだ……ククク……審判の時は近いぞ!」
要するに、無視出来なくなったようだった。
発言内容はいままでと全く変わらないのだが、色々と今は問題がある。
今までの通りなら何も出来ずに終わり、ただの戯れ言だ。
だが、今こいつは得たいのしれない力を得ている。
今の厨二病だったら何でもできるだろう。おそらく。
それがあまりにも危険な気がして。
とりあえず1発殴っておいた。
いや、何時も通りだ。
その朝までは。
まさか、朝っぱらから母親を見て味噌汁を口からぶっかけるなんて誰が想像しただろう。
つまり、あれだ、あいつしか原因は考えられない。
母親がオッドアイになっていたのは。
俺は早急に家を飛び出す。
これまであった人人人、全員がオッドアイだ。
なんの世紀末だこれは。
自分は確認してみたが、別にオッドアイにはなっていなかった。
魔術の干渉に強いからだろうか。
「おっす! ……なぁなぁ、なんかよ、通り掛かる人全員の目の色が違うのはなんだなんだろうな?」
人なつっこそうな声だ、多分名前は豊竹。
OK、鏡見てこい。
◆◆◆
「なぁ……なんでパンツって必要なのかな……」
「そりゃあ……隠さないと」
「隠すって言ってもパンツって別にパンツ見られた時点で恥辱の果てじゃね? むしろパンツを見られたほうが恥だろ」
「じゃあ、こう考えるんだ、お前の一本松は小さいだろ? だからその恥を含めた……」
この学校っていつからヘンタイ学校になったんだ?
そうしてこれは男と女の会話だ、ここ重要。
それにしても厨二病が見あたらない。奴が本気になれば、俺をまくなんて簡単なのだろう。
まぁHRはで待つか。
「OHー! 元気にしてたかぁ? 仔猫ちゃん達ィ~? んじゃ、簡単なHR始めるべ?」
いや、だから、なんの世紀末だ。
そんな感じで意気揚々と教室に入ってきたのは学校一怖いと評判の先生だ。
厨二病は例の如くいない、確定だな。
「先生」
「ん? なんぞ?」
と、とりあえず教員の着崩している服をなるべく見ないようにしながら発言する。
呆然と先生の変貌を見ているクラスのみんなはほおって置いて俺にはこの状況は耐えられないので、一刻もはやく改善したい。
と、近寄ってくる先生に触れようとした、その時だった。
「さぁ注目するがいい! 有象無象のゴミ共!」
窓の外に、物理的にも完全に浮いた状態の、厨二病がいた。
「さぁ! この奇跡の瞬間を!」
といって何かを取り出す厨二病。
それは、カラーコンタクトだった。
「「は?」」
一様に意味が分からないといった様子のクラスメイト。
わかるぞ、その気持ち。
こいつも魔法なんてものもってなかったらこんな事するわけ無いだろうしな、物理的にも。
すると厨二病はなれた手つきでカラーコンタクトを装着する。
妙な擬音を含まれていたが、別に気にしなかった。
突っ込んだら、負けだ。
次の瞬間。
「ワーワー! 万歳! 皇帝万歳!」
つ、突っ込んだら負けだ。
ようするにアレか、あいつがカラコンを付けた瞬間、クラスというか、全人類はコントロールされるのか。
……。
……。
……う。
いや! どんな世紀末だよっ!
あ、勿論この後スタッフ(主に俺)が後腐れなく、完膚無きまでに物理でたたいておきました。
カラーコンタクトを何の兵器にしたかったんだ、奴は。
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