(転載開始)
◆再度の炉心損傷確率、5千年に1回…東電試算
読売新聞 2011年10月17日 20時03分
東京電力は17日、福島第一原子力発電所1〜3号機で再び炉心が損傷する確率は、約5000年に1回とする試算結果をまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に報告した。
事故前の試算では1000万年に1回としており、2000倍も高くなった。保安院は、試算の内容を検証し、安定化の目標である「冷温停止状態」を維持するための施設運営に生かす。
損傷確率の計算は、原子炉の注水系統の故障、外部電源の喪失、大津波など7項目を想定。それぞれの原因で、1〜3号機の一つに約20時間にわたる注水の中断が起き、炉心損傷が起きる1200度に達する確率を合計した。
項目ごとの確率では、大津波による炉心損傷が8000年に1回と最も高く、次いで、注水系統の故障による炉心損傷が1万1000年に1回だった。
(転載終了)
東電は一体全体、何がしたいのであろうか?
この期に及んでまだ再度の炉心損傷確率が「5000年に1回」などと戯(たわ)けたことを抜かしているとは「アンビリーバブル」である。
上記記事にてその根拠が説明されているが、「大津波による炉心損傷が8000年に1回」などという戯言を一体誰が信じるというのであろうか?
東日本大震災による津波については、「想定外」でも何でもなく、100年以内に普通に起き得る津波であることは歴史が証明していることである。
更に、東電が2008年に自らおこなった試算にて「10メートル超」の津波を想定していたことは、以下に転載する、つい最近の記事からも明らかになっている話である。
(転載開始)
◆東日本大震災:福島第1原発事故 東電津波試算、08年に「10メートル超」想定
毎日新聞 2011年8月25日 東京朝刊
◇原発事故4日前、保安院に報告
東京電力は24日、「福島第1原発に10メートルを超える津波が押し寄せる可能性がある」との試算結果を08年4〜5月にまとめていたことを明らかにした。しかし「評価の必要がある」として具体的な対策を取らず、経済産業省原子力安全・保安院に報告したのも事故直前の今年3月7日だった。これらの事実を東電も保安院も公表せず、10メートルを超す3月11日の津波について「想定外だった」との説明を繰り返していた。
試算は06年の原発耐震設計審査指針改定に伴い、保安院が指示した再評価作業の一環。東電は、政府の地震調査研究推進本部の見解に基づき、三陸沖から房総沖で明治三陸地震(1896年)並みの地震(マグニチュード8・3)が起きたと想定した。その結果、福島第1原発に到達する津波は▽5、6号機が10・2メートル▽1〜4号機が8・4〜9・3メートル▽防波堤南側で15・7メートルなどと推定された。しかし結果を保安院へ報告せず、1〜4号機で5・7メートルとしていた想定津波高の見直しもしなかった。
東電の松本純一原子力・立地本部長代理は24日の会見で「(10メートル超は)あくまで試算で、運用を変えるほど信用に足る数値か慎重に判断する必要があった」と説明。事故後、津波を「想定外」としたことについても「うそをついたわけではない。運用変更は学説や試算でなく固まった基準で行われるべきだ」と釈明した。保安院によると、3月7日の報告では耐震安全審査室長が報告書面を受け取り「設備面で対応が必要」と指導したが、4日後に巨大地震が発生。想定を大幅に上回る津波が深刻な事故を招いた。
保安院は、事故直前の東電の報告も含め、こうした事実を公表しなかった。森山善範対策監は24日、政府の事故調査・検証委員会には説明したことを明らかにし、「規制機関として十分な対応を取れていなかった」と話した。【藤野基文、岡田英】
(転載終了)
以上より、今回発表された再度の炉心損傷確率が「5000年に1回」という数字に何の意味もないことは自明であろう。
読売新聞の記者も一体どういうつもりでこのようなヘボい記事を書いているのか、全くもって理解不能である。
同記事については、さりげなくスルーしてもよいかとも思ったが、見るに耐えない内容ゆえ、思わず筆を執った次第である。