千曲署巡査長の強制わいせつ致傷容疑による逮捕について会見し、謝罪する臼田勝信・県警首席監察官(左)ら=17日、県庁 |
長野市の駐車場で女性にわいせつな行為をしてけがを負わせたとして、長野南署は17日、強制わいせつ致傷の疑いで千曲署生活安全課の巡査長、河原裕介容疑者(34)=長野市若穂牛島=を逮捕した。県警監察課によると、容疑を認めている。県警の現職警官の逮捕は、千曲署戸倉・上山田交番の巡査部長を盗みの疑いで逮捕した2009年11月以来になる。
逮捕容疑は、7日午後9時50分すぎ、長野市篠ノ井の駐車場で、帰宅しようとしていた北信地方の20代の会社員女性が止めていた乗用車に運転席側から乗り込み、女性の口を押さえて胸をつかむなどして、胸に約2週間の打撲を負わせるなどした疑い。
同課によると、河原容疑者は女性と面識はなかった。女性がクラクションを鳴らして助けを求めたため、同容疑者は近くに止めていた自分の乗用車で逃走。女性の知人が、普段見慣れない不審な車として同容疑者の乗用車のナンバーを控えており、警察に伝えたため逮捕につながった。
河原容疑者は06年10月に県警に採用され、翌年3月に千曲署に配属。交番や留置場の勤務を経て、昨年3月から生活安全課で少年事件などの捜査に携わった。事件当日は非番だったが、事件捜査のため休日出勤して午前9時から午後8時ごろまで勤務し、その後に犯行に及んだという。
千曲署によると、同容疑者は16日まで勤務しており、変わった様子はなかったという。
県警の臼田勝信・首席監察官らは17日、現職警官の逮捕を受けて県庁で記者会見。「県民の安全安心を守る立場の警察官がこのような事件を起こし、誠に遺憾で、深くおわび申し上げる」と謝罪。「今後の捜査を待って厳正に処分し、再発防止に努めていく」と述べた。
河原容疑者が強制わいせつ致傷の罪で起訴された場合、裁判員裁判対象事件で、現職警官が裁判員裁判の被告となれば、県内では初めてとなる。群馬県ではことし3月、高崎市の路上で女子大生を押し倒してわいせつな行為をし軽傷を負わせたとして、群馬県警高崎署勤務の巡査が強制わいせつ致傷容疑で逮捕、同罪で起訴されている。