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きっぷメモ。

2012年04月18日

快速エアポート号の特急券


新千歳空港から岩見沢への特急券です。列車名を見ると「エアポート103号」とあります。
あたかも特急エアポート103号という列車が存在しているように見えます。

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新千歳空港から札幌方面へは毎時4本の快速エアポートが運転されていますが、そのうち1本は札幌で折り返して白石から分岐し、函館本線L特急スーパーカムイ号として旭川まで運転されます。

快速エアポート103号の場合、札幌からはL特急スーパーカムイ15号となります。
この列車の指定席を新千歳空港〜岩見沢で利用する場合、新千歳空港〜札幌間は快速列車の指定席、札幌〜岩見沢間は特急列車の指定席となるのですが、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第57条第9項および第126条の規定に基づき、札幌〜岩見沢(40.6km)に対する特急料金で新千歳空港〜岩見沢間の指定席を通しで利用することが可能です。快速エアポート号の指定席料金は不要となります。

なお、下記条文はどちらも「直通列車の指定席に連続して乗車する場合」と定めてあることから、札幌で列車を乗り換える場合や、同じ列車でも快速エアポート号指定席から特急スーパーカムイ号自由席と利用した場合は、快速列車の指定席料金と特急料金がそれぞれ必要となります。

急行券の発売)
第57条 旅客が、急行列車に乗車する場合は、次の各号に定めるところにより、急行列車ごとに特別急行券又は普通急行券を発売する。
9 急行列車と普通列車とが直通して運転する列車の指定席に、急行列車と普通列車を相互に連続して乗車する場合は、1個の列車とみなして、1枚の急行券を発売することがある。

(急行列車と普通列車とが直通して運転する場合の急行料金)
第126条 第57条第9項の規定により、旭川・新千歳空港間において急行列車と普通列車とが直通して運転する列車の指定席を連続して乗車する場合は、急行列車の乗車区間に対する急行料金とする。


スーパーカムイ号の運転区間はA特急料金が適用されます。JR北海道完結の50キロまでのA特急料金は1110円、2012年4月13日はJR北海道の閑散期に該当しますので200円が引かれます。発売額は910円となります。

2012年04月16日

埼玉高速鉄道の特別補充券


東川口から浦和美園への片道乗車券です。特別補充券で発売頂きました。

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埼玉高速鉄道の特別補充券は券面の地紋に特徴があります。
社名の英語訳である「Saitama Railway」を券面に散りばめています。
殆どの会社の切符券面が「PJR てつどう」の汎用デザインとなりつつある現状において独自性のある貴重な例といえるでしょう。

なお、東川口から浦和美園へは1駅 2.4kmで初乗り区間なのですが、運賃は210円です。
JR私鉄と比べるとかなり高額であると言えます。


東川口から浦和美園への往復乗車券です。
埼玉高速鉄道では往復乗車券も自動券売機で購入できます。

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乗車券の地紋は特別補充券と同じですが、やや色合いが異なります。
なお、有効期間を見ると「発売当日限り有効」とあります。往復乗車券の有効期間は片道の2倍が一般的です。つまりこの場合は2日間とでは無いかと思うのですが、これは誤植や設定ミスではなく、埼玉高速鉄道の公式ホームページによると1日で正しいようです。
往復乗車券でも当日限り有効というのは珍しいのではないでしょうか。

2012年04月13日

JR東日本から相模鉄道への往復連絡乗車券


桜木町から平沼橋への往復乗車券です。
昨日ご紹介した相模鉄道発行の往復乗車券の逆経路です。

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経路は桜木町(根岸線)横浜(相鉄本線)平沼橋です。
片道乗車券の場合はJRで購入しても乗継割引10円は適用されるので、JR線130円と相鉄線140円の合計から10円を引き260円となります。ただし、往復乗車券の場合は上記の通り発売額540円となっています。

これは誤発券ではなく、JRでは乗継割引の適用を片道乗車券に限定しているためです。このため無割引の合計運賃である270円の2倍で540円となります。
相模鉄道では往復乗車券の発売額は割引後の片道運賃の2倍で520円となりますので、同じ効力の乗車券でも購入する会社により運賃が異なることになります。どちらも制度にあった正当な運賃ではあるのですが……。

なお120mm券で発券されており、券面右下には「額」の印字があります。これは会社線側の運賃を手入力した「金額入力(額入)」という操作により発売された乗車券です。

相模鉄道は一部の駅の運賃がマルスシステムに登録されているのですが、平沼橋は登録されていませんので額入で発売となります。
横浜からの場合ですと、平沼橋・西横浜はマルスシステムに運賃が登録されていませんが、天王町は登録されています。
なお横浜〜平沼橋・西横浜・天王町間は、各駅とも運賃140円で同額です。おそらく接続駅から同額となる駅のうち、最も遠い駅の運賃のみが登録されているものと思われます。

2012年04月12日

相模鉄道からJR東日本への往復連絡乗車券


平沼橋から桜木町への往復の連絡乗車券です。特別補充券により発売されました。

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経路は以下のとおりです。
平沼橋(相鉄本線)横浜(根岸線)桜木町

相模鉄道:0.9km、140円
JR東日本:2.0km、130円
この区間は乗継割引10円が適用されますので、片道の運賃は260円、往復乗車券の場合は2倍で520円が発売額となります。
相模鉄道は自社線の往復乗車券は発売していないのですが、JR東日本への連絡乗車券の場合、制度上は往復乗車券が発売可能です。自動券売機では片道乗車券しか発売していないため特別補充券による発売となります。
ただし、制度上は発売可能とはいえ横浜を除き下車できない乗車券です。あらかじめ往復乗車券を購入しておかなければならない理由は特に無く、また上述の通り自社完結の往復乗車券を発売していないことから往復乗車券の発売実績は皆無といっていいでしょう。駅での発売は、まず断られるものと思われます。


券面はご覧のとおりかなり傷んでおり、相当古いものと思われます。
裏面を見てみます。

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(1)列車のグリーン料金及びA寝台料金には、通行税が含まれています。
(2)発駅または着駅が、札幌市内(略)、その区間内にある国鉄各駅で乗車又は 下車できますが、(後略)

「通行税」「国鉄線」……。この他、福岡市内から筑肥線の各駅が除外されることが言及されていません。
これは一体いつの補充券なのでしょうか。そう思って表面を見ると、発行日欄は「平成」とあります。

時系列順に並べてみると、以下のようになります。

1983年3月22日 筑肥線一部廃止、姪浜周船寺間が福岡市内から除外
1987年3月31日 日本国有鉄道廃止
1989年1月8日 元号が平成に
1989年3月31日 通行税廃止


発行日が平成となっていることから1989年以降に印刷されたものであることは間違いありませんが、国鉄は昭和のうちに廃止されています。また平成となって3ヶ月あまりで通行税が廃止されています。
このことから推測すると、おそらく国鉄・JR税制が変更されても裏面の表記は過去に作成した当所のまま修正していないものと思われます。元号が平成となった時に表面の発行日欄のみ修正しましたが、裏面の記述はそのままとしたためこのようになっているのではないでしょうか。

なお通行税は1989年4月1日の消費税導入の際に廃止されましたが、それ以前はグリーン料金とA寝台料金は10%の通行税を含む料金となっていました。過去の料金券には「料金税共」などの表記がありました。

2012年04月11日

手回り品切符


渋谷駅玉川改札発行の普通手回り品切符です。
改札口の端末により発券されました。

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持込区間、持込列車の記入欄があります。本当に記入されているか微妙なところではありますが……。
ご案内の注意事項を見てみると、3に「手回り品の見やすい箇所にくくりつけてください」とあります。飛行機のシールタイプの荷物タグとは異なりこれは感熱紙に印字されたものです。本当にくくりつけるとおそらくすぐに破れてしまうでしょう。


券面に記載されているとおり、発売額は270円です。下車するとその時点で無効となります。
途中下車できる乗車券を所持している場合でも、規則上手回り品切符は改札の都度購入する必要があります。

なお手回り品切符が必要となる手回り品とその料金は、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第309条第1項に以下のように規定されています。

(有料手回り品及び普通手回り品料金)
第309条 旅客は、小犬・猫・はと又はこれらに類する小動物(猛獣及びへびの類を除く。)であつて、次の各号に該当するものは、前条第1項に規定する制限内である場合に限り、持込区間・持込日その他持込みに関する必要事項を申し出たうえで、当社の承諾を受け、普通手回り品料金を支払つて車内に持ち込むことができる。
(1) 長さ70センチメートル以内、最小の立方形の長さ、幅及び高さの和が、90センチメートル程度の容器に収納したもので、かつ、他の旅客に危害を及ぼし、又は迷惑をかけるおそれがないと認められるもの
(2) 容器に収納した重量が10キログラム以内のもの
2 普通手回り品料金は、旅客の1回の乗車ごとに、1個について270円とする。


このようにペットをケースごと持ち込むことを想定している規則であることがわかります。
なおケースの大きさと重さにも上限が規定されています。


かつては競輪自転車の入った袋の持ち込みも有料でしたが、2011年10月に旅客営業規則第309条が改定され、無料の手回り品となりました。
改定前の条文を以下に示します。

(有料手回り品及び普通手回り品料金)
第309条 特殊法人日本自転車振興会の発行した選手登録証票を所持する者が解体して専用の袋に収納し携帯する競輪用自転車にあつては、前条第1項に規定する制限内である場合に限り、持込区間・持込日その他持込みに関する必要事項を申し出たうえで、当社の承諾を受け、普通手回り品料金を支払つて、これを車船内に持ち込むことができる。
2 旅客は、小犬・猫・はと又はこれらに類する小動物(猛獣及びへびの類を除く。)であつて、次の各号に該当するものは、前項の規定に準じて当社の承諾を受け、普通手回り品料金を支払つて車船内に持ち込むことができる。
(1) 長さ70センチメートル以内、最小の立方形の長さ、幅及び高さの和が、90センチメートル程度の容器に収納したもので、かつ、他の旅客に危害を及ぼし、又は迷惑をかけるおそれがないと認められるもの
(2) 容器に収納した重量が10キログラム以内のもの
3 普通手回り品料金は、旅客の1回の乗車船ごとに、1個について270円とする。

2012年04月10日

自由席と立席の通しの新幹線特急券

はやぶさ号・はやて号・こまち号(以下、はやて号と表記)は全車指定席なのですが、満席の場合に限り立席特急券を発売することを先日ご紹介しました。

満席の場合の他にも、以下のケースで指定を受けること無くはやて号に乗車が可能です。
(1)仙台盛岡間に停車駅のあるはやて号で同区間相互のみを利用する場合は、自由席特急券ではやて号普通車指定席の空席に着席できます。
(2)盛岡以北のはやて号において同区間相互のみを利用する場合は、満席でなくても特定特急券(立席)を発売し、普通車指定席の空席に着席できます。盛岡以南の立席特急券とは異なり、枚数の制限はありません。

(1)は仙台以北で自由席連結の列車本数が少ないこと、(2)は盛岡以北が全列車全席指定であることへのそれぞれ救済措置的な位置づけです。なお(2)の特定特急券(立席)の発売額は、通常期の特急料金から510円を引いた額です。

盛岡以北は自由席を連結した列車が存在しないため、通常の特急券と自由席料金に相当する特定特急券(立席)しか発売されません。
それでは、盛岡以南と以北で自由席と立席を乗り継ぐと特急料金はどのようになるのでしょうか。

結論から言うと、乗車全区間の通しの通常期特急料金から510円を引いた、自由席特急料金に相当する額での発売が可能です(※)。自由席と立席の通算は出来ず、盛岡打ち切りで特急券が2枚となるため通しの指定席より高額となり発売できない、と誤った案内がされることがあるようですが……。
東京圏マルス司令室の見解

仙台から新青森への立席特急券と、盛岡から新青森へのはやて号の新幹線指定券(立席)です。

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仙台〜盛岡間はやまびこ号自由席、盛岡〜新青森間ははやて号立席で利用しました。

仙台から新青森への通常期の特急料金は4610円です。これから510円を引いた4100円が発売額です。
指定券(立席)は、列車が指定されないことから、日付のみ指定され、時刻は空欄で発券されます。列車名も「はやて号」のみで、号数の指定がありません。


今回の発券方法ですが、やや特殊です。
(1)マルス端末の任意乗継画面から、列車1を仙台〜盛岡 やまびこ97号自由席・列車2を盛岡〜新青森 はやて11号立席で指定します。仙台〜新青森の新幹線立席特急券、はやて11号の新幹線指定券(立席)の2枚が発券されます。
(2)(1)で発券されたはやて11号 新幹線指定券(立席)を控除します。
(3)盛岡〜新青森、列車名「はやて(特定)」で新幹線指定券(立席)を座席券のみ発券します。
(4)(1)の新幹線立席特急券と(3)の新幹線指定券(立席)の2枚を旅客に交付します。発売額は(1)に印字されている4100円です。

(1)において、やまびこ号→はやて号を盛岡において乗継できる列車の組み合わせとしないと、乗り継ぎ不可でマルスシステムはエラーを回答します。上記に示した組み合わせである必要はなく、盛岡で乗継ができるならどのような列車でも問題ないものと思われます。
(2)で一旦指定券を控除するのは、(1)で発券される新幹線指定券(立席)は、盛岡以南の座席数を管理している立席券であるためです。今回の発券により発売数が減少してしまうため、控除して座席を戻す必要があります。
(3)で発券する立席券は、座席数を管理しない立席券です。列車名を「はやて(特定)」とすることで発券されます。なお「はやぶさ(特定)」という列車もあるようですが、使われることはないようです。


なお首都圏の駅では、上記の発券手順をまとめた冊子をみどりの窓口に配置しています。今回の発券時もその冊子を参照しながら発売いただきました。

2012年04月08日

はやぶさ号立席特急券


東京から仙台へのはやぶさ3号立席特急券です。
新幹線はやぶさ号・はやて号・こまち号は原則全区間で全車指定席なのですが、例外もあります。

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上記特急券はその例外の1つで、乗車する列車が満席の場合に限り立席特急券が発売されます。
列車名、号車が指定されているのが特徴です。列車のどこにでも立って乗車できるわけではなく、指定された号車の出入口付近に立って乗車する必要があります。また、号車ごとの発売枚数が管理されており、立席も満席という事が起こりえます。ただし100席以上設定され、立席が満席となることはほぼないでしょう。
きっぷの性格としては指定券に近く、様式も指定席の特急券とほぼ同じです。

なお発着時刻をご覧いただければ分かる通り、1時間以上着席できません。このため満席であっても駅で積極的に案内されることはなく、知る人ぞ知る存在となっているのが実態です。
指定席券売機においては、前日の時点で満席のはやぶさ号・はやて号・こまち号において立席特急券を発売しますが、窓口においては満席となった時点で発売は可能です。
一旦満席となってもその後空席が出る可能性があることから、指定席券売機での立席特急券は空席の動きが少なくなる前日からのみ行なっているものと思われます。

立席特急券の発売額は、東日本旅客鉄道株式会社 旅客営業規則第125条第1項(1)イ(ロ)aに以下のとおり規定されています。

(大人急行料金)
第125条 大人急行料金は、次の各号に定めるとおりとする。
(1) 特別急行料金
イ 新幹線
(ロ) 立席特急料金
a b、c、d及びe以外の立席特急料金
別表第2号ツ、ネ、ナ、ナの2、ラ、ム及びウに定める料金から510円を低減した額とする。

※別表第2号ツ、ネ、ナ、ナの2、ラ、ム及びウ は、それぞれ以下の新幹線の指定席の特急料金を定めています。
ツ:東海道・山陽新幹線
ネ:東海道・山陽新幹線(のぞみ号・みずほ号)
ナ:東北新幹線
ナの2:東北新幹線(はやぶさ号)
ラ:上越新幹線
ム:長野新幹線(北陸新幹線)
ウ:九州新幹線


通常期の指定席の特急料金から510円を引いた額が立席特急券の発売額です。自由席と同額というように読めますが、東京〜仙台間の自由席特急料金は4300円であり、立席特急料金と一致しません。
これは、はやぶさ号は大宮〜仙台〜盛岡間の乗車時に加算料金が設定されていることによります。東京〜大宮、盛岡〜新青森間には加算料金は設定されていません。今回は大宮〜仙台間ではやぶさ号に乗車していますので、300円の加算料金が追加されます。

東京〜仙台間の特急料金4810円+はやぶさ号加算料金300円−立席特急料金減額510円で、4600円となります。
券面右下の「NO4300」が、はやぶさ号加算料金を含めない場合の立席特急料金で、同4810円−510円で4300円となります。