平成24年3月30日
ジャイアントパンダ導入の取り組み状況について
いま仙台市は,被災地・東北の子どもたちに夢と希望を与え,復興のシンボルとなるよう八木山動物公園にジャイアントパンダを導入する取り組みを進めています。
ジャイアントパンダは,中国に生息する動物で,特徴的な白と黒の模様と愛嬌のあるしぐさから,多くの人々に親しまれています。しかし,現在,野生での生息数は,約1,600頭足らずで絶滅の危機に瀕しています。
パンダを絶滅の危機から救うためには,生息環境の保全と飼育施設での繁殖研究を推進する取り組みが必要です。仙台市は,東北の子どもたちに夢と希望を与える復興のシンボルとすると共に,中国と共同で繁殖研究を行うため,導入の取り組みを始めました。
今後,取り組みの状況をホームページで随時お知らせしていきます。
1.経過
・大震災後の5月に,中国の温家宝首相が被災地の名取市や福島市などを訪れた際に,子どもたちにパンダのぬいぐるみをプレゼントしたエピソードなどを契機として,市長が駐日中国大使へパンダの貸与の希望をお伝えいたしました。〔平成23年9月〕
・ジャニーズ事務所が立ち上げた災害支援プロジェクト「マーチングJ」から,これに対する支援の申し出をいただきました。〔平成23年12月〕
・日中首脳会談の場で,温家宝首相からパンダ貸与について,前向きな発言をいただきました。〔平成23年12月〕
・パンダを受け入れるための環境整備,その他について,「マーチングJ」と検討を進めております。
・中国側との具体的な交渉に向けて,ジャニーズ事務所とともに中国外交部へ表敬訪問を行いました。〔平成24年3月〕
2.費用
パンダ舎の建設,5年間の野生パンダ調査研究保護資金を含む飼育に係る費用等は,「マーチングJ」からご支援をいただくことになっております。
3.パンダが来る時期
具体的な時期などはまだ正式に決まっていません。パンダは国際的な保護動物なので,仙台に来るためには,学術研究目的として,中国側と協定の締結などが必要となります。
まずは協定の締結に向け,関係者との協議などを行っていきます。
4.そのほかの取り組み状況
パンダを八木山動物公園に受け入れるためには,飼育施設や飼育員の研修など飼育環境の整備,来園者の方々のアクセス対策などが必要です。また,たくさんの方が動物公園を訪れることが見込まれますので,経済効果やシティセールスに着目した事業の展開も期待されます。このため,現在,様々な課題の整理などを行っており,関係者とも協議を行いながら,万全の体制で準備を進めます。
5.平成24年度関連予算
平成24年度は,パンダ導入関連予算として,26,645千円を計上しました。内訳は,八木山動物公園の基本構想の見直しに要する経費15,000千円,導入にあたっての調査等に要する経費11,645千円です。
※ パンダの導入について,市議会(平成24年第1回定例会)で質疑のあった主なものを紹介します。
Q.パンダに関する総事業費は,5年間でどの程度を見込んでいるのか。
A.飼育施設の建設内容をはじめ,パンダの飼育や展示方法など,具体的な事業内容については関係者とも協議を行い,今後検討していくこととしており,現時点では事業費の積算を行うまでには至っておりません。今後,事業内容を検討する際の参考として,他の動物園の状況を調査した結果,パンダ舎等の建設に約3億5千万円を要したほか,いわゆるレンタル料,国内産の竹などの飼育費用,研究費などの年間経費の合計が1億円ほどとの事例があります。
Q.パンダ舎整備以外に八木山動物公園全体の整備も必要ではないか。
A.パンダ舎等の整備に加え,パンダの導入に伴い,相当数増加すると見込まれる来園者の皆様に,快適に過ごしていただくため,待機スペースや動線などが適切に確保できるよう,平成19年に策定した再整備計画の見直しを行う必要があります。上野動物園や王子動物園の事例も参考にしながら,新年度早々に作業に着手してまいります。
Q.ジャニーズ事務所からの支援には,募金が充てられるのではないか。
A.先方からは,パンダの導入支援に必要な資金の全てをグループ企業の自己資金により調達し,ファンの方々から寄せられた募金は,全額被災した子どもたちへの支援に充てると伺っております。
Q.ジャニーズ事務所からの援助がなくなる6年目以降については,どうするのか。
A.他の動物園の例からも,パンダの導入により入園者が増加し,本市においても入園料収入等は相当額が増加するものと見込まれるので,6年目以降については,基本的に本市の負担によりパンダの飼育を継続してまいります。
Q.本市への経済効果が50億円とする根拠はなにか。
A.上野動物園や王子動物園では,パンダの導入初年度で入場者数がほぼ倍増となっております。八木山動物公園についても,同様に入園者が倍増すると仮定した場合,50万人ほどの増加が見込まれることから,これに平成21年度宮城県観光動態調査の平均消費額を掛け,経済効果を50億円と推計したものです。
Q.パンダの導入を本市の確実な経済効果とシティセールスにつなげる体制をつくるべきではないか。
A.パンダ導入により期待される様々な効果をできるだけ大きくするよう,仙台市として戦略性をもって取り組んでいくことが大切だと考えます。そのため,副市長をトップに建設局,総務企画局,市民局,経済局を中心とした全庁的なプロジェクトチームを立ち上げ,万全を期して事業に取り組みます。
建設局総務課
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