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ヒグマ逃げ2人襲われ死亡 鹿角の牧場

秋田八幡平クマ牧場のコンクリート製のおり。一番奥の区画からヒグマが逃げた。左下は射殺されたクマ=20日午後3時8分、鹿角市

 20日午前10時5分ごろ、秋田県鹿角市八幡平にある「秋田八幡平クマ牧場」の経営者から「クマがおりから逃げた」と119番があった。おりの近くで従業員とみられる女性2人が遺体で見つかり、遺体には全身にかみ傷があった。いずれも鹿角市の75歳と69歳の女性従業員の行方が分からなくなっており、秋田県警が身元の確認を急いでいる。

 県警によると、地元の猟友会員がおりから逃げ出したヒグマの成獣6頭を敷地内で射殺した。牧場で飼育されていたクマ34頭のうち、残り28頭はおりの中で確認された。
 全てのおりの扉の鍵は閉まっていたという。県警は、クマがおりの展示スペースに積もっていた雪を伝って塀(高さ4.5メートル)を乗り越えたとみて調べている。
 鹿角署などによると、女性従業員2人は20日午前8時ごろから、男性従業員(69)と牧場内で作業し、女性2人はクマに餌を与えようとしていた。男性従業員は敷地外に逃げて無事だった。
 秋田県によると、この牧場は1987年7月に開設され、個人が経営している。三つのおりがあり、各おりには四方を格子に囲まれて屋根がある餌場と、屋根がなくコンクリートの塀に囲まれた展示スペースがある。
 牧場は冬季閉園中で客はいなかった。今月末に開園予定だった。
 3月22日に立ち入り調査した際、経営者に対し、積雪時におりの展示スペースにクマを放さないよう指導したという。
 現場は、仙北市田沢湖の玉川温泉から北東約15キロにある国道341号沿いの山あいにある。鹿角署は、午前11時15分ごろから周辺を段階的に通行止めにし、午後2時35分解除した。


2012年04月21日土曜日


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