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2011年7月21日5時11分

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岩手の稲わらからもセシウム 5戸から牛19頭出荷済み

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写真:福島第一原発事故が起きた後に収集され、保管されている稲わら=19日、宮城県大崎市、中村靖三郎撮影拡大福島第一原発事故が起きた後に収集され、保管されている稲わら=19日、宮城県大崎市、中村靖三郎撮影

図:汚染稲わらを与えた肉牛を出荷した農家が確認された9県拡大汚染稲わらを与えた肉牛を出荷した農家が確認された9県

 国の基準値を超える放射性セシウムに汚染された稲わらが牛にえさとして与えられていた問題で、岩手県は20日、一関市と藤沢町の畜産農家5戸のわらから基準の約2〜43倍のセシウムが検出されたと発表した。5戸からは計19頭が東京都に出荷されていた。

 わらは、いずれも東京電力福島第一原発の事故後に地元で収集されたものだという。一関市と藤沢町はともに宮城県境で、第一原発から約150キロ離れている。収集したわらの汚染が確認された県は福島、宮城に次いで3県目。

 県によると、5戸のわらからは1キロあたり2560〜5万7千ベクレルのセシウムを検出した。乾燥前の生草に換算すると583〜1万2984ベクレルで、国の基準(1キロあたり300ベクレル)を超えていた。県は流通先を調べるとともに、原発事故後に集めたわらを与えた牛の出荷を自粛するよう県内全域に改めて要請した。

 一方、この日も各地に出荷された宮城県産のわらから、基準値を超えるセシウムが相次いで検出された。静岡県によると、富士宮市の農家が仕入れたわらから基準の約7倍のセシウムが検出された。この農家は148頭を愛知県や大阪府などに出荷していた。秋田県では15倍、群馬県では1.3倍、埼玉県では最高で約30倍、新潟県では約11〜27倍、岐阜県では約12倍のセシウムが検出された。

 朝日新聞社の20日現在のまとめでは、汚染わらが見つかった農家から出荷された牛は岩手、秋田、山形、福島、群馬、埼玉、新潟、岐阜、静岡の9県の農家計37戸から判明分だけで1200頭以上となっている。これらの肉の流通は、この日新たに宮崎、鹿児島両県でも確認され、45都道府県に上る。流通が確認されていないのは、鳥取、沖縄の2県。

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