突然ですがみなさんにお聞きします。
「美術」のお仕事って聞くとどんな仕事をイメージしますか?
多分、かなづち(美術業界用語で〝なぐり〟っていいます)を持ってセットを建てることをイメージする人が多いですよね。
僕もフジテレビで美術の仕事をしていますと言うと、「じゃあ、日曜大工なんてお手のもんですね」なんて言われます。
残念ながら中学の授業で本棚を作って以来、大工仕事をしたことはありません・・・
それではフジテレビの「美術のお仕事」とは何ぞや!
ということで説明を始めましょう。
みなさんが一番思い描く番組のセットに関するお仕事です。
番組のセットは、『美術プロデューサー』『デザイナー』『美術進行』の三者が連携しつつそれぞれの役割を果たすことによって成り立っています。
みなさんがテレビでよく見ている番組や、お台場合衆国などのイベントの
〝美術的〟な側面すべてのプロデュースやデザイン、そして運営を手がけています。
その〝美術的〟という中には数多くの協力関係会社が含まれています。
協力関係会社といっても何社あると思いますか?
常にお仕事をさせていただくところから、年に数回お付き合いさせていただくところまで数えると・・・正直なところ正確な数は僕にも分かりません。
100社以上は確実にあると思います。
デザイナーが設計したセットはもちろん美術です。(大道具さんです。)
そのセットにおかれた小道具(椅子や置物、壁につける絵画など)も美術。
出演者の方が着る衣裳も靴も腕時計そしてメイクすらも美術なのです。
ドラマなどで役者さんが食べるご飯(消え物と言います)も美術のお仕事の範疇です。
つまり画面に映る出演者以外のものは全て美術のお仕事に含まれます。
この多岐にわたる美術の仕事をするためにフジテレビ内には大道具や小道具、電飾、衣裳などに特化した協力会社が常駐しいつでも急な発注に備えています。
①報道・情報番組でのCG映像制作
「スーパーニュース」や「とくダネ!」などで事件や事故などが起きた現場や状況などをわかりやすく解説する為のCG映像を制作しています。
当日急発生の事件にも対応するため、1~2時間の非常に短時間で制作をすることが多いです。
②バーチャルセット制作
リアルタイムに人とCGを合成して、実際にはないセットをCGで作るバーチャルセットの制作をしています。
報道・情報番組での解説用から、「SMAPxSMAP」や「FNS歌謡祭」のようなバラエティ番組の装飾まで、色々な種類のセットを作ります。
実際のセットと合わせてデザインをしたりするので、美術デザイン班のデザイナーとも打ち合わせをしたりもします。
主な業務として番組のタイトルロゴのデザインや、番組内で使用するフリップや字幕スーパーのデザインを制作しています。
『笑っていいとも!』など見ていただけるとコーナーごとに違うデザインのフリップが使われていることをチェックしてみてください。
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少数精鋭で日々奮闘しているCG・タイトル班。 確実に平均年齢40歳は越えているこの班の中で、一人平均年齢を下げている入社4年目の道上 智成くんを紹介させてもらいます。 写真を見ても分かるようにとても28歳には見えなく、ともすれば18時以降ゲームセンターにいれば補導されかねないほどの外見ですが、その発想と数々の企画を打ち出す彼は、CG・タイトル班の「獅子座流星群(?)」と呼ばれているとかいないとか・・・ |
道上くんが手掛けた仕事の一つをあげますと、この夏熱く燃えたお台場合衆国の球体で展開されたヘキサゴンの映像ショーであったり、現在も池袋のサンシャインシティのプラネタリウム満天で上映されている"宇宙天気予報"があります。
「あれ、フジテレビの番組じゃないんだ?」と思われる方も多いと思います。
もちろん我々の仕事はフジテレビの番組をベースとしていますが、それに捉われることなく、チャンスがあればどんどん外へという進取の精神も持ち続けています。
道上くんのこの企画もしかりで、初めからありきの話ではなく、クライアントへのプレゼンからというゼロからのスタートでした。
そこにはつぶらな瞳でプルプルと震えるチワワのような彼のキャラがクライアントのハートに響いたのではという噂があったことを付け加えておきます。
池袋の空にロマンチックな星空を描き出した道上くん。現在、昔の彼女が置いていったフレンチブルドックと暮らしている星の王子様が夢見る皆さんを待っています。
美術セクションは、大道具や小道具、衣裳、メイクなどかかわる役割が多いので、仕事に関わるスタッフの数も大勢になります。
ざっと800人くらいのスタッフが私たちの美術という仕事を側面から支えてくれています。
若手から中堅、ベテランまでみんながよりよい番組やイベントを実現させようという同じ目的のために努力している!
しかも、お互いの顔が仕事の中でよく見えるのでコミュニケーションをとりながら、さらに楽しい収録現場や美しいセットを実際の形にできるようにアイデアを出し合っています。
他の部署も同様の楽しみがあるのでしょうが、実際に物を作っていくのって、よくいわれるのですが・・・『毎日が文化祭』の気分ですよ。
番組の企画書と違い、美術セットというのはこんなセット作ってみたので使ってみませんかというわけにはいきません。
あくまで制作サイドからの依頼があり、その要求や番組のテイストに基づいてセットをデザインして作り上げていきます。
そういう意味では受身的な仕事ということも出来ます。
ですが昨年より美術部員の有志により、これまで大道具4社に任せっきりになっていた使用済みのセットの廃材処理をフジテレビの美術センターが一括して引き受けることにしました。
これにより、廃材処理に対する社会的責任を果たすことが出来、また一元化をすることで大幅な費用削減にもなりました。
このことは上からの命令ではなく、部員の中から「もっと美術発信で何かしたい」という声が上がり、それを認めてバックアップしてくれる上司がいるから成し得たことだと思います。
紙面にはまだ書けませんが、この他にもいくつかのプロジェクトを進行中です。
今の美術は日々の業務だけではなく、攻めの姿勢をモットーに寝る間を惜しんで日夜戦い続けています。
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1994年入社 美術制作部 三竹寛典 |