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【長野】

松本の地震、体感震度「6弱」以上も

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 松本市で震度5強を記録した昨年六月の地震で、震源域に近い市南部などの多くの住民が震度6弱など観測値以上の揺れを体感したとするアンケート結果を、信州大震動調査グループがまとめた。軟弱な地盤が揺れの強弱に影響した可能性もある。グループ代表の小坂共栄名誉教授(構造地質学)は十九日、松本市役所で坪田明男副市長に中間報告の冊子を手渡し、データが不十分な地盤状況の調査などで協力を求めた。

 アンケートは、信州大の地質学の研究者ら有志でつくるグループが、中信地域の小、中学校や松本市内の町会連合会の協力を得て五万五千人に配布、二万人分の回答を得た。

 建物や家具などの揺れ方や、立っていられるかどうかなどによる気象庁の指標に沿い、体感震度を答えさせた。中間まとめでは、木造で築数年以上が経過した家の住人一万四千人分を抽出。「震度4」〜「5強」が約一万二千人だったが「6弱」〜「7」も計千八百四十六人に上った。

 観測値以上の揺れを体感した回答者の住所を地図に示すと、被害の大きかった南松本地区など市南部に集中。従来の調査でも軟弱な地盤が広がっているとされる地域と一致した。小坂名誉教授は「震源域から東側に偏った形の震度分布が特徴的。地盤特性と揺れの強い相関関係がうかがえ、検証が必要」と話す。

 中間報告の冊子は市を通じて市内全町会に配布し、各支所、出張所でも見られる。アンケートは建物の構造や築年数、発生時にいた地形の違いなどで細かく被害状況を質問しており、さらに分析を進め夏ごろまでに最終報告をまとめる方針だ。

 (安藤孝憲)

 <松本市での震度5強の地震> 昨年6月30日午前8時16分、市役所のある丸の内で震度5強を観測した。県危機管理部などによると、市内の被害は死者1人、負傷者17人。住宅の被害は半壊24棟、一部損壊6116棟。

 

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