米スターバックスは、イチゴのフラペチーノやスムージーなどの商品で着色剤として使用している乾燥甲虫から取った粉末の使用を段階的に中止する。菜食主義者からの厳しい抗議を受け入れることにしたためだ。
鮮やかな赤色を出すこのコチニール染料は、米政府も承認済みでヨーグルトからケーキまで広く使われる着色剤だ。スターバックスは今年1月に人工着色料の使用を止め、コチニール染料を使い始めた。
しかし先月、菜食主義者のブロガー、Daelyn Fortney氏が、コチニール染料使用反対のキャンペーンを開始、その代わりに赤色ビート、黒ニンジン、紫イモなどの使用を提言した。
この思わぬ消費者運動による対外広報問題に直面して、同社は代替染料の模索を開始。19日、米国部門のクリフ・バローズ社長は「入念で綿密な分析調査を行った結果、対象商品の最高の品質を保つ配合の変更を発表できることを喜んでいる」としてリコピンと呼ばれるトマトから抽出された成分をベースとする着色料の使用を宣言した。
バローズ社長は、スターバックスが消費者の関心に対しての心配りが「十分でなかった」とし、6月末までには全米の店で新しい着色料に切り替えると語った。
Fortney氏のキャンペーンは6000人を超える署名が集まったが、同氏はスターバックスの発表を受けて、「最初はただ単に菜食主義者向けにスターバックスのストロベリーフラペチーノは飲むと良くないと知らせることを目的としていたが、大勢の人を煩わす問題に発展してしまった」との声明を出した。