人種差別攻撃受けたイ・ジャスミン氏がコメント

「傷ついたが韓国の包容力に希望も得た」

 11日の国会議員総選挙で比例代表により当選した与党セヌリ党のイ・ジャスミン氏(35)は17日、自身に向けられたインターネット上の人種差別的攻撃や非難について「一部にはそういうことを言う人もいるだろうが、韓国全体がそう考えているとは思わない」と述べた。

 イ・ジャスミン氏は同日、国会で行われたセヌリ党会議に出席した後、記者らの前で「こうしたこと(ネットでのバッシング)で傷つきもしたが、韓国に包容力がどれだけあるかを証明できる機会になった」と語った。

 そして「非常に良くない話がたくさん飛び交ったが、私の周りには励まし、拍手し、頑張れと言ってくださる方がとても大勢いたので希望は捨てない」と話した。

 フィリピンの出身で韓国人男性と結婚、1998年に韓国籍を取得し韓国人として約15年韓国に住んでいるイ・ジャスミン氏は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や左派系のネット掲示板などで「学歴を詐称し、この国に売買婚で売られてきたヤツが、何を分かったような顔をして政治家になるのか」「不法滞在者が大手を振って歩くようになった」「韓国の骨の髄までしゃぶろうという多文化(国際結婚などで増えた在韓外国人社会・文化)の実体が明らかになった」などの人身攻撃的な中傷に苦しめられた。

 だが、同氏は「韓国で暮らしていて『愛』をたくさんいただいたので、こうしたことが起きてとても残念に思う。傷つくようなことをかなり言われたが、私はともかく、ほかの多文化家庭の人々の方が傷つくのではないかと心配になった」と語った。

 イ・ジャスミン氏は前日までメディアのインタビューを断り、外出を控えていた。同氏の側近イ・ミンジョン氏は「ひどく傷ついて話ができる状況ではない」と話した。しかし、公の場に姿を見せたこの日、イ・ジャスミン氏は韓国を恨んではいなかった。そして「人は皆それぞれ自分の意見を持っているから、無理に自分の見解を示すよりも、今後(議員)活動をすることで、自分が言えることを言っていく」と述べた。それでも、息子(16)と娘(13)には「できれば(ネットや新聞の関連記事を)読まないでと言った」と語った。

 イ・ジャスミン氏は同日の会議で「(多文化家庭の)象徴として(国会に)入ったが、象徴だけで終わらないよう、多文化家庭だけでなく社会的弱者や疎外されている人々のために働きたい。最後まで約束が守れるよう、ご声援をお願いします」とあいさつした。同氏は「差別のない多文化社会」に関するセヌリ党の総選挙公約を第19代国会で責任を持って実行する「公約を守る会」に所属している。

金時現(キム・シヒョン)記者
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