ふるさと奈良で暮らしていた頃、楽しみにしていた連続テレビ小説。そのヒロインを私が務めるなんてまさにミラクル。しかも舞台はなじみ深い関西で、すごい俳優さんたちが大勢共演してくださるし、夢じゃないかと思うくらい幸せな気持ちでいっぱいです。
ヒロインの小原糸子は、日本のファッションデザイナーの草分けとして活躍し、女手ひとつで三人の娘を世界的なファッションデザイナーに育て上げた小篠綾子さんがモデル。私はその糸子の少女時代から、娘たちが世界に羽ばたいていくまでの波乱万丈の人生を演じます。
いま収録しているのは、糸子の青春時代。周囲から「糸ちゃん」「糸ちゃん」と可愛がられ、明るくて、元気で、やりたいことに向かって一心に突き進んでいく女の子です。だから私も糸子のパワーに負けないよう、ちょっとはちゃめちゃすぎ?と自分で思うくらいテンションを上げて演技しています。何しろだんじり並みですからね、糸ちゃんの前向きパワーは(笑)。中途半端だとあの元気さは表現できないです。
この「カーネーション」のために、京都・太秦でだんじりの曳行シーンの撮影が行われたのですが、その迫力には本当に驚きました。そして岸和田の人たちがずっと昔からこのお祭りを大切にして、親から子へ、子から孫へと思いを受け継いでおられることに感動しました。だんじりを通してみんなが気持ちを一つにでき、時間の隔たりさえも超えることができる、そういうものがあるって素晴らしいことですよね。岸和田の街を歩いても、何となく骨太な、熱い感じがするのは、きっとだんじりがあるからだと思います。
もう一つ、「演じる上で岸和田の言葉ってどう?」とよく聞かれます。
私の出身地の奈良と同じ関西弁だからやりやすいのでは、とも言われるのですが、岸和田と奈良では言葉のイントネーションや語尾が少し違うんですよ。
同じ関西弁だけに、その違い方が微妙なのでかえって難しいですね。だいぶ慣れてきましたけれど。
お楽しみに!