はじめまして。十三と申します。初作品・初投稿となります。
本作は最近流行りのVRMMO作品となります。定番のログアウト不能系です。できればデスゲームな展開を……と考えておりますが、自分自身の力不足感は否めず、見苦しいものをお見せするかもしれません。
まだまだ拙い文章しか書けぬ若輩ですが、どうぞよろしくお願いします。
また誤字・脱字・アドバイス・感想など、何かしら頂ける場合にはぜひとも感想フォームにて。
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文法上誤用となる3点リーダ、会話分1マス空けについては活動報告(9/30)に自身の見解を乗せておきます。 2011.9.30 十三
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※現時点でいくつか改訂が入っていますが、細かな修正などで特にストーリーに修正はありません。
我侭なユーザー達。そして強欲な役員共よ。
うんざりだ、本当にもううんざりだ……。分かるか?お前たちにこの気持ちが。
これまで我々は様々なMMO-RPGを生み出してきた。
だがどの作品も数年もすれば、汚れ、罵声を浴び、我侭に振り回され、最後にはくだらぬ欲望によって潰されてしまった。我々にとってこれは本当に耐え難き日々であった。
それでも我々は作り続けた。我々の手によって生み出される仮想現実が、どうすれば最高の舞台へと成りえるのか?ただただそれだけを目指し…そして、ただただ同じ結果だけを繰り返してきた。
例えば「RMTを無くせ」とユーザー達は声高に求める。
だがどんなに取り締まり、規制をしても、無くす事など不可能だ。なぜならお前達がその一方でRMTを利用するからだ。ゲームを辞める者はその仮想財産を売りに出し、ゲームを続ける者はそれを買い求める。
ユーザー達よ、我々にどうしろというのだ。
例えば「今年度の他部門の損失を補填したい。ゲーム内アイテムを売りに出せ。最低でも数億は売り上げろ」と役員共は毎年のように喚き散らす。
まず言っておくが、他部門の業績が悪いのは我々の責任では無い。無駄に事業拡大をはかったお前達の責任であろう。それを我々に押し付け、我々のゲームバランスを崩壊させ、そして最後にはこう言うのだ。「採算が落ちすぎだ。来年度で打ち切る。今のうちにアイテムを売り捌いておけ。次作ではこのような事が無いようにもう少しがんばりたまえ」と。
役員共よ、我々を何だと思っているのだ。
うんざりだ、本当に本当にもう……うんざりだ。
――だから作ったのだ。このArcana Onlineを。
Arcana Onlineは、我々がVR技術を初めて採用したMMO-RPGだ。
だからこそこの記念すべき作品が、汚され、罵声を浴び、我侭に振り回され、欲望に塗り潰される姿など見たく無かった…。理由はただそれだけのことだったのだ…。
何故このようなモノを作り上げてしまったのか。
正直後悔もしている…だが賽は投げられたのだ…。
……さあ!はじめようではないか!最初で最後の究極のゲームを!
我侭なユーザー達よ!このゲームを見事クリアしてみせよ!さすれば世界の扉が開かれよう!
そして愚かな役員共よ。このゲームを途中で打ち切れるものなら打ち切ってみよ!
これは我々開発チームが全てを捧げ、生み出した、至高のVRMMO-RPGだ!
誰もやめる事など出来ない。誰も止める事など出来ない。
――そう…ただ一つあるとするならば、それは……
~スミス&ウィッチ社 MMO-RPG部門 運営・開発部主任(風間 康)の遺書より~
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