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ポリオ不活化ワクチン初承認へ
4月19日 19時9分

ワクチンの接種でごくまれに感染し、後遺症が出るため接種を控える動きが広がっているポリオのワクチンについて、より安全性の高い「不活化ワクチン」が国内で初めて承認されることになり、ことしの秋から接種できる見通しとなりました。

ポリオの予防接種は、7歳までに2回受けることが法律で定められていますが、現在のワクチンは100万人に1.4人の割合でポリオに感染し、手足がまひするなどの後遺症が出ることがあります。
このため、厚生労働省は、より安全性の高い不活化ワクチンへの切り替えを決めていますが、全国で切り替えを待つ保護者の間で今のワクチンの接種を控える動きが広がっています。
19日は、薬の承認を検討する厚生労働省の部会が開かれ、フランスの製薬会社がことし2月に承認の申請をした不活化ワクチンについて「すでにアメリカやフランスなど世界の86か国で使われていて、安全性に問題はない」とする意見をまとめ、国内で初めて不活化ワクチンが承認されることが決まりました。
ポリオの予防接種は毎年、春と秋に全国の自治体で行われていますが、来月にも正式に承認されると、ことし秋からは接種できる見通しです。

“やっとここまで”

ポリオの不活化ワクチンの承認が決まったことについて、患者などで作る「ポリオの会」の小山万里子代表は「これまで不活化ワクチンの導入を訴え続けてきましたが、やっとここまで来たかという思いです。承認されることになってほっとしましたが、ワクチンでポリオになった子どものことを思うと素直には喜べない気持ちもあります」と話しています。そのうえで「ワクチンからの感染をおそれて接種を控える保護者がいるなどポリオが広がりかねない状況なので、一日も早く、無料で不活化ワクチンを接種できるよう切り替えを進めるべきだ」と指摘しています。

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