現場発:障害か 障がいか 表記を巡り揺れる九州・山口/「負のイメージ助長」「気にならない」
2012年04月15日
「障害」か「障がい」か−−。これらの表記を巡り公的機関が揺れている。平仮名派は「『害』には負のイメージがあり、偏見を助長しかねない」と言い、漢字派は「平仮名にしても差別がなくなるわけではない」と主張。大分県人権教育研究協議会は昨秋、広報誌に「障害」を使ったとして1ページを割いて「おわび」を掲載した。条例は漢字なのに担当課名が「障がい福祉課」の自治体もあり、現場からは「問い合わせが絶えない」と悲鳴にも似た声が聞こえてくる。混乱の背景を追った。【西嶋正法】
大分県人権教育研究協議会は広報誌「じんけん」(A4判10ページ)を年8回、約1万5000部発行している。昨年5月の総会で「県は06年『障がい』に変更したが、『障』にもマイナスイメージがある」と「障害」から「『しょうがい』」に改めると表明。ところが担当者が失念し、第74号(昨年7月発行)の7カ所で「障害」を使った。読者の指摘を受け、75号(9月発行)最終ページの全面に経緯や謝罪を掲載した。