福島第一原発4基 法的に廃止4月19日 16時47分
東京電力福島第一原子力発電所のうち、事故によって激しく損傷した1号機から4号機までの4基は、電気事業法に基づき19日付けで「廃止」となります。
税務当局には用途の廃止の届けがまだ出ていないことから、4基が立地している福島県大熊町は、発電用の設備について今年度も固定資産税を課税する方針です。
東京電力は、先月30日、損傷が激しい福島第一原発の1号機から4号機の「廃止」を経済産業省に届け出て、4基は電気事業法に基づき19日付けで「廃止」となります。
4基は、事故のあと発電をしていませんが、法律上も電気事業を行わないことになります。
ただ、税務当局には用途の廃止の届けがまだ出ていないことから、4基が立地している大熊町は、発電用の設備について今年度も固定資産税を課税する方針です。
大熊町は、土地などに対する課税を含め、東京電力からの固定資産税をおよそ16億円と見込んで、今年度の当初予算に計上しています。
東京電力は「廃炉に向けた事業は継続しており、国などの見解に基づいて適切に対応したい」と話しています。
一方、国から原発の立地自治体に支払われる今年度の「電源立地地域対策交付金」は、平成22年度の発電実績を基に計算されるため原発事故の影響はほとんど受けません。
さらに、来年度以降も「当分の間」は、平成22年度の実績を基に交付金を支払うよう、国が、今月、交付規則を改めたため、原発の「廃止」手続きによる影響も受けないことになります。
この結果、大熊町に対しては、今後も、毎年度20億円程度の交付金が国から支払われる見通しです。
大熊町長“残念な思いと複雑な思い”
大熊町の渡辺利綱町長は「40年間原発と共生してまちづくりを行ってきたことを考えると、残念な思いと複雑な思いがあります」と話していました。
また、今年度も発電用の設備などに対して固定資産税を課税することについては「確かに発電はしていませんが、今後復興に向けての財源の1つと捉えて、今は(課税をするのは)やむを得ないと考えています」と話していました。
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