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2012年4月18日
津波で消失した六角堂復元
建設当時を再現、28日から一般公開
東日本大震災の津波で消失し、茨城大学が再建に取り組んでいた岡倉天心ゆかりの六角堂(北茨城市)が1年ぶりに復元され、17日、現地で竣工(しゅんこう)式などが行われた。

今後は周辺整備を経て28日から一般公開される。

再建竣工の神事は旧天心邸前で、茨城大学や県、北茨城市、東京芸術大学、日本美術院などの関係者約100人が出席して開かれた。池田幸雄学長、橋本昌知事、豊田稔北茨城市長らが除幕を行い、完成を祝った。

近くのホテルで行われた竣工式で池田学長は「日露戦争真っただ中、天心は東洋の文明、日本の美術を守ろうと努力していた。新しい六角堂で天心の思いをのぞいてほしい。再建が北茨城市の活性化、震災からの復興のシンボルになることを願っている」とあいさつ。橋本知事や豊田市長、東京芸大の宮田亮平学長らが祝辞を述べた。豊田市長は「六角堂に来てもらうため駐車場を整備したい」と計画を明かした。

新しい六角堂は建設当時(1905年)を再現。当時の技法で桟瓦や窓ガラスを製作し、外壁もベンガラ彩色を研究し赤色でよみがえった。土台の見えない部分は鉄筋コンクリートにボルトで固定し強化。海底調査で六角堂直下の海中から発見された六角形の水晶を唯一建設当時のものとして設置した。

明治40年代の写真から再現に取り組んでいた岩の上の雪見灯篭は波の関係でこの日に間に合わなかったが、一般公開までには設置したい考え。ライトアップも計画しており、26日に点灯式を行う予定という。

再建を担当した三輪五十二特命教授は「とことん明治38年にこだわった。県建築士会をはじめ関係者の協力と、天心に対する情熱があったから早期に復元できた」とし、「大震災の復興のシンボルにと取り組んだので明るい話題として届けられれば」と話した。

今後は旧天心邸脇の土蔵を復元した復興記念館や日本美術院研究所の再建なども視野に入れた活動に取り組むという。

日本美術院の創立者の天心が建設した六角堂は昨年3月11日に発生した10b近い津波によって土台だけを残して流失。1955年から六角堂を所有する同大学では、修繕前の建設当時の材料や製法を調査し、再建に取り組んできた。総工費は約4300万円。再建のために332件約3900万円の寄付が寄せられている。

●地震などで倒壊の恐れ「茨城県は大丈夫か」
福島第1原発4号機、燃料取り出しは早くて再来年1月
東京電力は17日、福島第一原発1〜4号機の廃止措置に向けた中長期ロードマップに基づき、4号機原子炉建屋で使用済み燃料の取り出しに向けたカバー設置工事に着手した。

しかし、工程表をみると、燃料の取り出しに着手するのは、早くても再来年1月から。4号機が傾き、倒壊すると、本県も人が住めない県になると言われているだけに、大きな余震が発生しないよう祈る日々が続きそうだ。

福島第一原発1〜4号機がは19日付で廃止となる。東京電力は3月30日、電気事業法に基づく4基の廃止届け出を国に提出していた。これで東電が現在保有している原発は17基から13基に減少する。また、全国の原発は54基から50基に減る。

ただ、廃止となっても危険性が無くなるわけではない。特に4号機は使用済み燃料プールが破損し、鉄骨で補強してあるものの、大きな余震などで傾き、倒壊するリスクを指摘する声は多い。

米原子力技術者のアーニー・ガンダーセン氏はプールが倒壊した場合、裸の使用済み燃料が大気中で燃えるという人類未体験の惨禍を予測。京都大学原子炉実験所助教の小出裕章氏も小美玉市で講演した際、茨城県は人が住めなくなると警告、ノンフィクション作家の広瀬隆氏もつくばで講演した際、パスポートやビザを取得しておき、いつでも海外に逃げられるよう準備しておくことを薦めた。

プールが倒壊したら、4号機から半径250`(東北・関東全域)からの避難が必要と指摘する声もある。

しかし、橋本昌知事の3月定例会の代表質問では、東海第2原発で事故が起きた場合、「おおむね30`圏内が目安とされた東海第2発電所のUPZ(緊急防護措置区域)は人口が約94万人、該当する市町村の全人口は106万人と極めて多い」とし、「県内にあるバスを総動員しても1回に24万人しか搬送できないため、一斉に106万人を避難させることは不可能」とした。30`圏内の県民すら一斉避難が難しい現状では300万県民が避難するのはさらに困難となるのは明らか。

燃料取り出し用カバーは、使用済み燃料プールからの燃料を取り出すため、取扱設備の支持、燃料取り出し作業環境の整備、燃料取り出し作業に伴って発生する放射性物質の飛散・拡散抑制を目的に設置される。工事の最初の工程として、燃料取り出し用カバーを構成するクレーン支持用架構の基礎を支える地盤を強固にするため、地盤改良工事を行う。同時に、4号機原子炉建屋への雨水浸入対策を進める。

計画では、周辺のがれき撤去を10月までに終え、カバー設置工事を遅くとも2013年度第3四半期まで完了させ、第4四半期からの燃料取り出しを目標としている。これだと、早くとも再来年1月ごろがスタートなる。取り出しには2年程度要するとされ、3年後には安全な場所に移す計画という。これだと、東電の計画通りに進んでも、茨城県民が避難民になる危険性が薄れるのは数年後ということになる。

しかし、工程表も13年度第2四半期以降は不確定要素が多く、工事が遅れる可能性も否定していない。この間に大きな余震が発生しないという保証は無いだけに、県民の眠れない日々はまだまだ続きそうだ。

●早くも条例見直しの動き―取手
1月に施行した議会基本条例
今年1月、議会基本条例を施行したばかりの取手市議会で、早くも見直しの動きが出ている。

議題に上ったのは、請願・陳情提案者や傍聴者の意見を聞く機会を設ける条項と、一般質問などを一問一答式とする条項の2カ所で、いずれも同条例の目玉だ。

16日には倉持光男議長の私的諮問機関として条例改正を検討する「検討会」(赤羽直一座長)が設置された。同検討会は非公開で行い、議事録も残さないという。

議題に上った2カ所について同条例は、請願者らの意見を聞く機会を設けるのは、請願や陳情を市民からの政策提案として受け止め、市民の多様な意見交換の場を設け、政策提案の拡大に努めるためとしている。

請願者らから発言の申し出があったとき議会は「意見を聞く機会を設けなければならない」とされ、傍聴者については、委員会が認めれば「発言を許可することができる」とされる。一般質問の一問一答式については、論点を明確にするためとされる。

条例施行後初となった3月議会中の議会運営委員会で、既に一度発言した陳情提案者が、今度は傍聴市民の立場で再度発言したケースをめぐって「同じ人が今度は市民として発言するのでは、委員会の審議時間が足りなくなる」などの意見が出たことと、条例では一般質問は一問一答式とされているのに、実際は一括質問方式も認められたことが見直しのきっかけという。

倉持議長は「3月議会をやってみて不具合が出てきているので検討していこうということ。急いでどうこうするとか、条例を後退させるとかではない。とりあえず検討会で検討し、正式には議会運営委員会で決めていく」とし、「今後、月1回ぐらい会合を開いて、1年ぐらい掛けて、不具合があるところをじっくりみていこうということになっている」とした。非公開については「各会派の代表者が入っており、秘密裏に行っているわけではない」としている。

これに対し昨年、同条例の制定に努めた議会基本条例策定調査特別委員会委員長(改選により現在委員会は解散)の貫井徹元市議は「条例は全会派の代表者が集まって練りに練って作った全国にも誇れるもの。本会議で審議した際も1人しか反対者がいなかった。内容がより良くなることを期待したい」と話している。

●相互集客、共同企画でおもてなし
「いばらき女将の会」と「あみ・プレミアムアウトレット」
阿見町吉原のアウトレット施設「あみプレミアム・アウトレット」と、県ホテル旅館生活衛生同業組合加盟宿泊施設でつくる「いばらき女将(おかみ)の会」は、共同企画「『女将のいる宿』に泊まって『あみプレミアム・アウトレット』でお得にショッピング!」キャンペーンを展開する。期間は今月27日〜8月31日。

宿泊による観光で茨城を広く知ってもらおうと、春の大型連休から夏休み期間の観光シーズンに合わせ実施する。期間中は、対象宿泊施設18カ所の宿泊客全員に「あみプレミアム・アウトレット特別割引クーポン」をプレゼント。宿泊施設はそれぞれキャンペーン関連の限定プラン・特典などもあり、相互集客を図る。両者の共同企画は初めて。

キャンペーンに当たって女将の会の吉岡鞠子会長(筑波山江戸屋)は「東日本大震災の影響で大規模な修繕を行い、やっとの思いでリニューアルオープンを果たした施設もあります。お客さま方には茨城は安心・安全であるということをPRし、震災でもゆるがない『おもてなし』の心を伝える活動を、おかみ一丸となって取り組んでまいります」などとコメントしている。

キャンペーン対象宿泊施設は次の通り。
五浦観光ホテル(北茨城市大津町)▽二ツ島観光ホテル(同市磯原町磯原)▽としまや月浜の湯(同市磯原町磯原)▽海づくしの湯はぎ屋旅館(日立市水木町)▽滝味の宿豊年万作(大子町袋田)▽湯の沢鉱泉(常陸大宮市山方)▽ホテル鮎亭(常陸大宮市小貫)▽はらや旅館(ひたちなか市阿字ケ浦町)▽里海邸(大洗町磯浜町)▽内原鉱泉湯泉荘(水戸市三湯町)▽ホテル山水(古河市中央町)▽彩香の宿一望(つくば市筑波)▽筑波山江戸屋(同市筑波)▽割烹旅館いづみ荘(石岡市高浜)▽ホテルさわや(鉾田市鉾田)▽北浦湖畔荘(行方市山田)▽潮来富士屋ホテル(潮来市潮来)▽ホテルがんけ(鹿嶋市宮中)

●チューリップ色鮮やか―土浦
オランダ型風車前の花壇で
土浦市大岩田の霞ケ浦総合公園のシンボル・オランダ型風車前の花壇で、赤、黄、ピンク、だいだい色など、チューリップが色鮮やかに開花し、来場者を楽しませている。

市制施行50周年を記念して整備されたもので、風車は高さ25b、羽根の長さ直径20b。塔の中段には、360度見渡すことができる展望台がある。

昨年は東日本大震災により被災し、上がれなかったが、今年は修理も終わり、たくさんの来場者が霞ケ浦や水生植物園の眺めを楽しんでいた。

隣接するネイチャーセンターでは、29日に鯉(こい)のぼりをつくろう、5月12日にはカーネーションをつくろう、などのイベントも開催される。


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