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これまでの放送

2012年4月13日(金)

驚き!がんワクチン治療最前線

ゲスト:富司純子さん、中田敦彦さん(オリエンタルラジオ)
Team未来の頭脳(コメンテーター):
鎌田浩毅さん(京都大学人間環境学研究科教授) 
神里達博さん(大阪大学CSCD(コミュニケーションデザインセンター)特任准教授)
空中タイムキーパー:仲間リサさん
冒頭コーナーリポーター:黒田信哉アナウンサー
特集リポーター:内藤裕子アナウンサー

出演者の関連情報

写真


内容

副作用など体への負担が少なく“夢の治療法”とも呼ばれる「がんワクチン」。まだ臨床試験の段階ですが、がん細胞が完全に消え去った例も報告されるなど、続々と成果が報告されています。さらにこの春からは、すい臓がんに対する大規模治験も始まる予定です。しかし、課題もあります。日本はがんワクチンの基礎研究では世界のトップを走ってきたものの、特有の治験制度によって、実用化ではアメリカに先を越されています。またその画期的な技術に目をつけたシンガポールなどが国を挙げ誘致し、世界に誇る“日本の頭脳”は海外に拠点を移し始めています。がんワクチン治療の驚きの最前線と、その課題に迫りました。

「がんワクチン」とは?

ワクチンというと、インフルエンザやBCG、最近では子宮頸がんなど病気を“予防”するものが知られていますが、今回ご紹介したのは“治療”するワクチン。自分の持つ免疫能力を活性化させ、がん細胞を攻撃します。副作用が少なく、延命効果が認められるのが特徴です。
このワクチンの中に入っているのは、『ペプチド』と言われるタンパク質の断片。『ペプチド』はがん細胞の表面に角のように出ているもので、これが治療に大きく役立っています。

そもそも私たちの体は、ウィルスなどの異物が侵入すると

攻撃役として働く「Tリンパ球」がウィルスに侵された細胞を攻撃します。これがいわゆる“免疫”です。

では、私たちの体ががんに侵されると

がん細胞も異物ですが、非常に早いスピードで際限なく広がるため、「Tリンパ球」の数が足りず攻撃しきれません。

そこで『ペプチド』が大量に入った「がんワクチン」を投与すると

「Tリンパ球」は異常事態に反応、自ら数を増やしてがん細胞を攻撃するのです。

「がんワクチン」の臨床研究に参加するには

がんワクチンはまだ承認されていません。

写真受けるには臨床研究に参加するという方法がありますが、受けられる人数には限りがあり、さまざまな条件があります。
<臨床研究 参加の条件>
・がんの種類
・進行度
・白血球の型・数
・リンパ球の数
・治療歴
・期間・人数
など
また、誰にでも効果が認められるというわけではありません。

臨床研究が行われている病院の問い合わせ先

東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター 中村祐輔研究室
ホームページ:http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/nakamura/
※クリックするとNHKサイトを離れます。
※トップページの「がんペプチドワクチン療法臨床研究実施施設リスト」をクリックすると、病院一覧を見ることができます。

なお、がんペプチドワクチンに関する質問はcancerpv@ims.u-tokyo.ac.jp にメールでお問い合わせください。
電話での問い合わせは受け付けていません。

※注意
「がんワクチン」についてインターネットなどで検索するとさまざまなサイトにつながり、誰でもすぐ受けられるように感じます。しかし、がんワクチンは日本ではまだ承認されておらず、その効果を確かめる臨床試験の段階です。がんワクチンを希望する方は、そのことを十分考慮する必要があります。

「すい臓がんの30代女性」のVTRで、ワクチンの臨床研究を行っていた病院

※現在、すい臓がんの臨床研究は行っていません。
千葉徳洲会病院
ホームページ:http://www.chibatoku.or.jp/
電話:047-466-7111(代表)
  (問い合わせをする場合は「がんワクチン療法について」と伝えて下さい。)

がんワクチンの実用化

写真薬は、大学などによる「臨床研究」、製薬会社が患者に投与し効果や安全性を調べる「治験」、国が審査をして「承認」という道を経て実用化されます。現在、日本国内で実用化に向けて動き出したがんワクチンを表にまとめました。最も進んでいるものは、治験の第3段階ですが、承認の時期は未定です。

すい臓・・・オンコセラピー・サイエンス株式会社が開発
肺A・・・グラクソ・スミスクライン株式会社が開発
肺B・・・メルクセローノ株式会社が開発
悪性脳腫瘍・・・株式会社グリーンペプタイドが開発
前立腺・・・株式会社グリーンペプタイドが開発
胆道・・・オンコセラピー・サイエンス株式会社が開発
ぼうこう・・・オンコセラピー・サイエンス株式会社が開発
食道A・・・オンコセラピー・サイエンス株式会社が開発
食道B・・・株式会社イミュノフロンティアが開発
骨髄異形性症候群・・・中外製薬株式会社、大日本住友製薬株式会社が共同で開発
大腸・・・オンコセラピー・サイエンス社が開発
肝臓・・・オンコセラピー・サイエンス社が開発

がんペプチドワクチンの開発を支えようとする市民団体

「市民のためのがんペプチドワクチンの会 準備会」
現在、活動を始める準備をしています。
活動が始まり次第、このホームページで連絡先をお伝えします。

冒頭コーナー

あなたも突然裁判員に!?

裁判員の制度開始以降、任期が最長の100日となった木嶋被告の裁判。これまで、裁判員候補者名簿に記載された人はのべ100万人。既に約2万人が実際に裁判員を経験されています。
長期にわたり、重大事件を裁いた裁判員の皆さんの中には、心理的な負担を抱え続ける方も少なくありません。裁判員経験者が、中でも悩んだというのが「守秘義務」。例えば、判決が出るまでは自分が裁判員であることを、誰に、どこまで話していいのか?など、その線引きは曖昧なんです。
もし、裁判員になったらどうなるのか。経験者の証言を元に、知られざる裁判員の悩みを明らかにし、裁判員制度のあり方を考えました。

裁判員制度についての詳しい情報

お近くの地方裁判所にお問い合わせください。

裁判員の「守秘義務」等、裁判員制度についての詳しい情報について

裁判員制度ウェブサイト(最高裁判所)
ホームページ:http://www.saibanin.courts.go.jp/

大阪市で開催された裁判員交流会について

裁判員経験者同士が語り会って、悩みを共有する会です。
主催/社会福祉法人・大阪ボランティア協会
ホームページ:
http://www.osakavol.org/08/saibanin/

その他、裁判員経験者同士の団体

裁判員経験者ネットワーク
ホームページ:http://saibanin-keiken.net/

リサのMy Follow

世界一大きなトイレ

近頃ネットで見つけた気になるワードを、スタッフ自ら現場に急行、詳しくリサーチ!
今回のターゲットは「世界一大きなトイレ」。6日、千葉県・市原市に誕生した駅前公衆トイレ「世界一大きなトイレ」に注目、一体どんなトイレなのか、番組で調査しました。

「世界一大きなトイレ」がある場所

住所:千葉県市原市飯給941-1 小湊鉄道・飯給駅前
名称:飯給駅前公衆トイレ「世界一大きなトイレ」

トイレの特徴などが説明されている、市原市のホームページアドレス
http://www.city.ichihara.chiba.jp/070keizai/
kankou/itabu-toilet.html

中村 祐輔さん

著書

「がんペプチドワクチン療法」
(中山書店 3780円(税込) 2009/10/06発刊)

視聴者のみなさまへ
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