そして、(射幸心をあおってお金を使わせる)ギャンブル性が多少でも絡んでくると、ソーシャルゲームにおける過消費は自己責任とは言えない。止めたくても止められなかったカヨコさんも、『ソーシャルゲーム依存症』だったかもしれないからです。もし仮に、依存症ということになっているのであれば、それは前頭葉の機能が低下しているということであり、適切な処置が必要になります。
それに、入り口は誰でもカンタンに入れるけど、ユーザーが依存症になるくらいハマるかもしれない、ということをきちんと明示できないのは問題ではないのか。業界が自主規制できないなら、政府が規制すべきといわれても仕方がないでしょう。正直、パチンコの方がソーシャルゲームよりも、規制されている分だけまともなような気がします。パチンコは子どもは入れないし、確率は明示されていますしね」
下記の10項目は、「精神障害の診断と統計の手引き 第4版修正用」(DSM-IV-TR)に掲載されているギャンブル依存症の診断基準項目を、ギャンブルという文字をソーシャルゲーム(もしくはガチャ)に置換したものである。内容を一部ソーシャルゲームに合うように筆者が改編した上で、堀教授に監修をお願いした。ソーシャルゲームで1年に100万円以上使っている、もしくは月に10万円以上使っている人は、ぜひ試してみて欲しい。
1. いつも頭のなかでソーシャルゲームのことばかり考えている。
2. 興奮を求めてソーシャルゲームに使う金額が次第に増えている。
3. ソーシャルゲームをやめようとしてもやめられない。
4. ソーシャルゲームをやめているとイライラして落ちつかない。
5. いやな感情や問題から逃げようとしてソーシャルゲームをする。
6. (コンプ)ガチャで欲しいカードが出ないと、使ったお金をムダにしたくなくて、
いつまでも(コンプ)ガチャをやり続ける。
7. ソーシャルゲームの問題を隠そうとして、家族やその他の人々に嘘をつく。
8. ソーシャルゲームの元手を得るために、詐欺、盗み、
親のクレジットカード番号を盗み見する、横領、着服などの不正行為をする。
9. ソーシャルゲームのために、人間関係や仕事、学業などがそこなわれている。
10.ソーシャルゲームでつくった借金を他人に肩代わりしてもらっている。
ギャンブル依存症の場合、5項目該当すると、ギャンブル依存症と診断される。ちなみにカヨコさんは、1、3、4、6、9が該当すると答えた。