東日本大震災:がれき同意、大阪市のみ 18万トン受け入れ表明の大阪府、42市町村動かず
毎日新聞 2012年04月19日 大阪朝刊
しかし、少なくとも9市がホームページで、受け入れを否定したり消極的な見解を示したりしている。このうち箕面市と門真市は「放射性物質による市民の健康と安全への懸念を払拭(ふっしょく)できない」などと受け入れを否定。枚方、吹田、寝屋川、四條畷、交野、高槻の6市は、焼却施設が府の基準に合う設備を備えていないなどハード面の不備を理由にし、守口市は「受け入れ可否の判断は困難」との立場だ。残りの33市町村(大阪市を除く)は態度を明確にしていない。
一方、大阪市では、ごみ焼却可能量から焼却実績を差し引いた余裕量が、10年度で年48万トンある。しかし、放射性セシウムの濃度を抑えるため家庭ごみとがれきを10対1程度の比率で混ぜ合わせて焼却する必要があり、処理量は限られる。
がれき焼却灰の最終処分場としては大阪湾が挙がっており、近畿2府4県などでつくる大阪湾広域臨海環境整備センターが運営する「大阪湾フェニックス」や、大阪市の北港処分地が想定されている。しかし、放射性セシウムは水に溶けやすく、海に漏れ出さない埋め立て方法が課題だ。