東日本大震災:がれき同意、大阪市のみ 18万トン受け入れ表明の大阪府、42市町村動かず
毎日新聞 2012年04月19日 大阪朝刊
◇安全性、施設…
東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の処理を巡り、大阪府が近畿でいち早く受け入れを表明したにもかかわらず、焼却を担う43市町村のうち、大阪市しか同調していない。安全性などへの懸念が理由とみられる。府は政府から18万トンの受け入れを要請されているが、実現しない可能性もある。【熊谷豪】
昨年12月、松井一郎知事は「被災地の皆さんを支援していきたい」と受け入れを表明。専門家会議での議論を経て、受け入れる際の放射性セシウムの基準値をがれき1キロあたり100ベクレル以下と定めた。府は全43市町村の焼却施設の空き容量から、受け入れ可能量を18万トンと見積もった。3月には、岩手県のがれきを同量受け入れるよう、環境省から要請文書を受け取った。府は独自の焼却施設を持たないため、受け入れ基準や手順に関する説明会を各市町村で開いている。