海上保安大学校(広島県呉市)で、学生や教官からいじめやパワーハラスメント行為を受けたとして、北九州市内に住む同校の学生と母親が国を相手取り、約4200万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁小倉支部に起こしていたことが17日、分かった。
訴状によると、学生は06年4月、逮捕術の訓練中に首を畳で強く打った後、全身の痛みや疲労感などを感じるようになった。学生が医師の診療を受けたところ、「頸椎(けいつい)捻挫」「外傷性脳脊髄(せきずい)液減少症」と診断された。しかし、症状が出ても周囲に理解してもらえず、他の学生からは「怠けるな」とののしられるなどした。
また、診断を受けた後、学生が休学や復学を繰り返すようになったが、その際に教官から「転職するつもりはないのか」などと言われたといい、「学校側はいじめを放置したうえ、退学を強要するような発言もあった」と主張している。
同校は「訴状を見ておらず、コメントできない」としている。【曽田拓】