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中東のカタールが女川の水産を支援、大型冷凍・冷蔵施設建設
 | カタールからの支援で建設される大型冷凍・冷蔵施設の完成予想図 |
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東日本大震災で壊滅的な被害が出た宮城県女川町の水産業再生に向け、中東のカタールが貯蔵能力約6000トンの大型冷凍・冷蔵施設の建設資金を援助することが18日、決まった。約20億円と見込まれる事業費が全額助成される。 事業主体は、地元の水産加工業者約60社でつくる女川魚市場買受人協同組合(高橋孝信理事長)。8万トン近くあった町内の冷凍・冷蔵施設は大半が被災し、女川魚市場に水揚げされる魚の受け入れや加工業の再建に支障を来していた。 女川町石浜の町有地を無償で借り受け、鉄筋コンクリート3階、延べ床面積約7000平方メートルの施設を建設する。今月中に着工し、サンマ漁が最盛期を迎える9月に完成する予定。 津波が襲来しても通り抜けるように、1階は小型冷凍庫(50トン)を設置するだけで壁部分を吹き抜けのピロティにする。2階に大型冷蔵庫(約6000トン)を整備、3階に避難場所を用意し防災機能も高める。 震災後、組合は水産庁の共同利用施設復旧整備事業を活用し、事業費の一部を負担する仕組みで施設建設を目指した。 カタールからの支援は日本財団の仲介で、事業内容が評価され決まった。助成金は、カタールの震災支援金1億ドル(約80億円)で設立された「カタールフレンド基金」から交付される。 高橋理事長は「夢のような話で、カタール関係者や町の支援に心から感謝する。水産の町・女川で復興の象徴となる施設にしたい」と話した。
2012年04月19日木曜日
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