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石原都知事 尖閣購入「日本全体のため」弱腰政府に“怒”

「日本全体のため」質問に答える石原都知事
東京都による尖閣諸島買い取り方針について、記者の質問に答える石原東京都知事
Photo By 共同

 訪米中の石原慎太郎東京都知事が17日、東京都による沖縄県・尖閣諸島の買い取り方針について「日本全体のためになる」と意義を強調した。ワシントン市内で記者団に語ったもので、領有権を主張する中国の強硬姿勢に「何で日本政府や日本人は反発しないのか。半分宣戦布告みたいなもの」と述べ、日本政府の対応を批判。新党結成を視野に入れる中、民主党政権の弱点である「外交」で揺さぶりを掛けた。

 「私は言うべきことを言った。これは誰かがやらなければならないことだ」。表明から一夜明け、石原氏は実現への自信をみなぎらせた。

 「今回のワシントン訪問は必見だ。新党なんかじゃない。物凄い話が飛び出るぞ」。共同電によると、3月中旬、石原氏の側近は尖閣購入のアイデアは漏らさないまま周囲に予告していた。発表の舞台に選ばれたのは米国を代表する保守系論客が集うワシントンのシンクタンク。事前にシンクタンク関係者と綿密に打ち合わせ、記者団との応答要領も用意していた。反応の大きさに側近は「インパクトは予想以上」とほくそ笑んだ。

 石原氏は中国の強硬姿勢に「何で日本政府は反発しないのか。半分宣戦布告みたいなものだ」と“ケンカ上等”の対中戦略で日本政府を批判しながらヤル気満々。

 一方、政府は防戦に必死。野田首相は18日、衆院予算委員会で「あらゆる検討をしたい」と、政治問題化を極力回避したい考えながらも尖閣諸島の国有化について言及。これにも石原氏は「さっさとやればよかったんだ。こちらはもう(地権者との)取引が終わる。持ち主が国が信用できないから東京都ということだったんだ」と斬り捨てた。購入を国と相談するかどうかについては「都が決めたことについて政府におうかがいを立てることはない」と否定した。

 購入後の管理の在り方や利用方法については、島周辺での漁業資源開発を挙げた。「沖ノ鳥島だって漁船がたくさん行くようになって、外国の船が来なくなったんだ」と日本全体の利益になることを強調した。

 ただ都民からは、東京から遠い尖閣諸島を都の予算で購入することへ疑問の声も上がっている。石原氏は「島へ行けばいいじゃないか。東京都の船を出す。今、沖ノ鳥島で作業をしている船があるから」と渡航のバックアップを約束した。
 
 石原発言について、政治評論家の浅川博忠氏は「新党結成をにらんで“憂国の士”をアピールしたもの」と指摘。「総選挙後の総理候補としての得点稼ぎの面もある。総理になるには米国の顔色も無視できないので、あえて米国で重要な発表をして観測気球を揚げたのだろう」と分析した。

[ 2012年4月19日 06:00 ]

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