年金:岡田氏「新制度見送り発言」野党に見透かされ
毎日新聞 2012年04月17日 23時14分
岡田克也副総理が17日の国会答弁で、年金に関する与野党協議の進展を条件に、民主党が掲げた新年金制度のための関連法案提出を見送る可能性を示したのは、消費増税法案の審議入りの環境を整える狙いがある。しかし、野党側は最低保障年金導入を柱とする新年金制度自体の撤回を明言するよう求めており、狙いは奏功していない。岡田氏の発言は09年衆院選マニフェストの目玉政策の見直しにもつながるため、民主党内での混乱が広がる可能性もある。
◇撤回まで至らず
岡田氏の発言は、法案提出の先送りに言及しただけで、新年金制度の撤回までには至っていない。岡田氏自身も国会答弁後の記者会見で「旗を降ろした、と(記事に)書かれると私の思いとは逆なのでよくご注意いただきたい」と語った。
発言を審議入りの呼び水にしたい岡田氏の思惑は既に見透かされており、自民党の閣僚経験者は「課題を先送りしただけで撤回したことにはならない。党内向けに『マニフェスト違反じゃない』と言うためだけの話だ」と語った。公明党幹部も「(閣議決定された)税と社会保障の一体改革の大綱が根本から崩れることになる」と指摘しており、岡田氏の「本気度」に疑念を呈した。