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事件
【衝撃事件の核心】西麻布の夜を演出したABCホーム.元会長の栄枯盛衰
増築の“ウソ” その狙いとは…
「このままでは競売にかけられて人手に渡ってしまう」。自身の城とも言うべき迎賓館のビルを守るために、塩田容疑者はさまざまな工作を行った。しかし、それらの工作が競売入札妨害にあたると組対4課はみている。
同課によると、塩田容疑者は競売開始後、自分で使用していた迎賓館のビル401号室を増築。この増築部分を402号室として「16年5月21日に新築した」と偽装した登記を行った上で、21年5月に不動産業者に譲渡したとする登記も行った。また、別の複数の部屋に関しても、18~20年に他人に賃貸したとするウソの登記を行ったとみられている。
「迎賓館全体が担保になっている以上、一部が他人に譲渡されていれば、たとえ入札して迎賓館を手に入れても、他人に渡った部分については所有者と改めて交渉しなければならなくなる。競売にかけても手間を嫌がり買い手はつきにくくなる」。塩田容疑者の狙いをある不動産関係者はこう分析する。
そのもくろみは成功する。塩田容疑者は地裁が20年11月に競売に向けた調査を開始した後、迎賓館のビル8部屋を親族らが15~19年には賃貸を始めていたと主張。地裁は402号室や賃貸の実態を調べざるをえなくなり、競売開始は遅れた。調査の結果、地裁は402号室を独立した部屋として認めず、賃貸の実態もないと判断し、競売の公告は昨年11月にようやく行われた。しかし、翌12月に行われた入札は不調に終わり、現在も迎賓館のビルの所有は宙に浮いている。
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