「身体拘束」と「虐待」 [医療]
「身体拘束」と「虐待」
昨日は、街頭署名と午後からの講演会がありましたが、午後から参加させてもらいました。講演会の参加者は少なくなっていますが、それで助かる人たちもいるのではないかと思いました。講師の先生も、交流会のなかでもアドバイスをしてもらいました。こうした先生たちにも支えられているのだと思います。
今日の新聞、医療欄に次のような投書がありました。
「病院で母が受けた身体拘束
もうすぐ80歳の母がこの夏、 トイレで転び、足を骨折しました。入院する際、「身体拘束に関する同意書」にサインを病院から求められました。高齢の患者さんは術後不穏になり、点滴を抜くことなどがあるそうです。 同意書の文面には「危険性を回避し適切な診療行為を続けていくために、やむを得ず必要最小限の身体拘束を行うことがあります」、とあり、必要最小限な ら仕方ないと思い、サインしました。手術が終わった2日後、病室には両手両足をひもでベッド柵にしばられた母の姿がありました。自分でひもをほどかないように両手にはミトン型の手袋もはめられていました。母は必死にはずそうとしたのでしょう。腕はひもがくい込んで赤紫になり、背中はベッドのシーツまで汗でびっしょりぬれていました。看護師さんは「手術した所が悪化しかねないので、固定しなければならない。 またお母さんは患部を手で触ろうとされるので・」などと説明たされましたが、病院ではこのようなことが普通に行われていることに驚きました。抗議すると翌日、つなぎの病衣に替わり、両手をひもでしばることはなくなりました。家族が問題にし拘束を和らげることができるのなら、最初からそうしてほしかったと思いました。約1週間後、母は高熱を出しました。感染症を患ったのです。過度の拘束で母の体力が奪われて感染症に見舞われたのではないか。骨折だけなら、すでに退院していたはずですが、今なお治療が必要で入院が続いています。(福岡県、40代女性)」(2011年10月10日西日本新聞)
介護施設での身体拘束が問題になりましたが、病院ではどうなのでしょう。高齢者虐待防止法には次のように書かれています。
「(定義)
第二条 この法律において「高齢者」とは、六十五歳以上の者をいう。
2 この法律において「養護者」とは、高齢者を現に養護する者であって養介護施設従事者等(第五項第一号の施設の業務に従事する者及び同項第二号の事業において業務に従事する者をいう。以下同じ。)以外のものをいう。
3 この法律において「高齢者虐待」とは、養護者による高齢者虐待及び養介護施設従事者等による高齢者虐待をいう。
4 この法律において「養護者による高齢者虐待」とは、次のいずれかに該当する行為をいう。
一 養護者がその養護する高齢者について行う次に掲げる行為
イ 高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。
ロ 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、養護者以外の同居人によるイ、ハ又はニに掲げる行為と同様の行為の放置等養護を著しく怠ること。
ハ 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。
ニ 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。
二 養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。」
この施設の対象に病院は含まれていないそうです。障害者の虐待防止法も来年10月発効しますが、同じように病院は対象外にされています。この国の政治の限界を示しているように思われます。
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