桁数ごとにそれぞれ違った意味を持つ

カード番号とは、クレジットカードに刻印された番号のことで、会員番号ともいいます。クレジットカード番号は、クレジットカード会社が、会員の持つクレジットカードを識別する目的で割り当てている固有の番号です。クレジットカードの番号はクレジットカード本体と同様に重要なものとなります。
カードの番号は、世界中で使える国際的に統一されたものと、あるカード会社専用のものと、大きく二通りに分けられます。

カード番号の頭の番号はプレフィックスと呼ばれており日本で発行されているクレジットカード番号のほとんどは16桁の数字で構成されていてこの16桁にはある一定の法則があります。

国際カードと呼ばれているクレジットカードの番号は最初の6桁で、カードブランドやクレジットカード発行会社が識別できるようになっています。最初の6桁の数字はBIN(Bank Identification Number)とも呼ばれていて、銀行識別番号として発行した事業者の特定をしています。残りの桁ではクレジットカード発行会社が割り当てる独自の番号や、連番、チェックデジットなどで構成されています。

国際的に使えるカードの場合は、カード番号の先頭の1桁目は、それぞれ固有番号がISOで決められています。ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、世界共通の規格・基準を制定している民間組織のこと。つまり、クレジットカードの番号は、ISO 7812でキャッシュカードやクレジットカードに割り振られている国際的な標準規格であるということです。クレジットカード番号の1桁目はISOで決められており、国際ブランド等の割り当てによって各カード発行事業者に付与されています。例えば、VISAは4、MASTERは5、JCBやAMEX、日本でのDinersなどは3です。

ISOで決められているカード番号の1桁目には、次のような意味があります。1桁目はプレフィックスともいって、主要産業識別番号(MII)を表します。

  • 0 ISO/TC 68 and other industry assignments(その他)
  • 1 Airlines(航空会社)
  • 2 Airlines and other industry assignments(航空会社)
  • 3 Travel and entertainment(旅行/エンターテイメント)
  • 4 Banking and financial(銀行/金融、VISA独占状態)
  • 5 Banking and financial(銀行/金融、MASTER独占状態)
  • 6 Merchandizing and banking(流通/金融) マーチャンダイジング系
  • 7 Petroleum(石油)
  • 8 Telecommunications and other industry assignments(通信)
  • 9 National assignment(その他)

クレジットカード番号の1桁目、国際ブランドに関して言うと、VISA、MASTERはそれぞれ「4」「5」なので(銀行/金融)、JCBやAMEX、日本でのDinersは「3」なので(旅行/エンターテイメント)のジャンルに分類されているということになります。クレジットカード番号にはきちんと意味があり、割り当てられている番号なのです。

2桁目は業態分類コードです。銀行系・信販系・小売業系などを意味します。

3桁目~6桁目は発行会社識別番号で、カードの発行事業者を特定、発行企業コードといい、日本の場合「流通システム開発センター」という財団法人に新規参入申請をし、クレジットカード企業コードを取得します。クレジット企業コードとして一覧が発行されています。1桁から6桁までを、銀行識別番号(BIN)やクレジット発行コードと呼んだりもします。

7桁目~15桁目はイシュアアカウントナンバーと呼ばれるものです。ここの数字最高9桁が、クレジットカード発行企業に与えられる「好きに使える番号桁」なのです。こんなにたくさんの桁数があっても、実はカード発行会社が全部好きなように使えるわけではありません。最高でも9桁までしか会員識別に利用できないのです。

最後の1桁はクレジットカード番号が正しいかどうかを確認するコード、チェックデジットとなっています。正規のクレジットカードであるかどうかを判別するためのチェック桁です。「Mod-10」あるいは「モジュラス10」と呼ばれるチェックで行います。「Mod-10」は、指定桁を2倍にしていき、「その合計が必ず10の倍数」となります。チェックデジットが1つであれば精度は10%、2つあれば必然的に1%と高まります。逆に言うと、10の倍数となるように会員番号を組成しなければならないですし、簡単な仕組みのために、実在するクレジットカード番号が推定されたりもします。ちなみにVISAやJCBなどは、最後の4桁は、チェックディジットや家族会員の有無、再発行した場合の番号などに用いていると言われています。

また、国内専用カードの場合はISOではなく、その国の機関によって決められます。一方で、クレジットカードの桁数には違いもあり、国際カード以外では16桁で無いものもあります。VISA、MasterCard、JCBなどは16桁ですが、American Expressは15桁、Diners Clubは14桁、セゾンは11桁が使われています。これらも、国際規格に準拠はしていないもののネット通販などでは対応していることがあり、世界各国で利用されているようです。