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余震で破損 変圧器から基準値超のPCB検出

 昨年4月7日に起きた東日本大震災の余震で壊れた坂総合クリニック(宮城県多賀城市)の変圧器から、規制値を上回るポリ塩化ビフェニール(PCB)が検出されたとして、クリニックを運営する財団法人宮城厚生協会が17日までに、変圧器製造元の高岳製作所(東京)など3社に変圧器の撤去と約590万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。
 被告は他に、クリニック本体を施工した熊谷組(福井市)と、電気工事を請け負ったユアテック(仙台市)の2社。
 訴状によると、余震で変圧器の側面に穴が開き、内部から絶縁油が漏れ出た。宮城厚生協会の調査で、絶縁油から国の基準値(1キログラム当たり0.5ミリグラム)を上回る11ミリグラムのPCBが検出された。
 PCBは1973年から使用が禁じられているが、他のメーカーが製造した変圧器からPCBが検出され、国は2002年、PCB混入の調査を各メーカーに指示した。高岳製作所は03年、「1990年以降に製造された製品に混入はない」と国に報告したが、PCBが検出された変圧器は90年製だった。
 宮城厚生協会は「高岳製作所はPCBを含む絶縁油を違法に使用した。熊谷組とユアテックは高岳製作所に違法使用させない注意義務を怠った」と主張している。
 高岳製作所は「コメントは控えたい」と述べている。熊谷組は「対応を検討したい」、ユアテックは「訴状が届いたばかりでまだ内容を確認していない」としている。


2012年04月18日水曜日


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