最後の人間と小さな侵略者【あとがき】
15ページか16ページをアップした夜だったでしょうか。夢の中にイズンが出てきました。自分のキャラクターが夢の中に出てくるというのは初めての経験ですが……散々愚痴られました。
曰く、扱いが酷すぎる。もう少し出番を増やせ……てなことです。もともとはシャツィとイズンの話は連作短編か長編にするつもりでした。世界戦争が終わった後の世界を巨人を連れて旅しながら復興の手助けをしている右腕がない少女の物語……でしたが、自分の中で世界を組み立てきれずに諦め、その中で2人が出会う場面だけを引っ張り出して100枚くらいの短編にするつもりでプロットを用意しました。途中でイズンの視点で物語を進めていくようにプロットではなっていたのですが、いざ書く段階になって諸般の事情というか、思惑もあってイズンのパートを全部消してしまいました。書き上げてみれば、当初主人公だったはずのイズンの登場は半ば以降までずれ込み、出るなり半殺しにされて、沐浴しているところを見られて、右腕を吹き飛ばされるという散々な扱いに。イズンが愚痴りたくなるのも分かろうというものです。……作者の台詞じゃないですね。
とりあえず、イズンに対しては結構申し訳なく思っているところがありますので、今後この2人で短編を書いたり、何らかの形で作中に登場させることもあるかもしれません。その時まで、シャツィとイズンを覚えていてやっていただければ嬉しいです。
話は変わりますがタイトルの中に最後の人間と入れたのは、『地球最後の男』を意識してのものです。リチャード・マンスンが1954年に発表したI Am Legendの邦題で、これまでにも何度か映画化されています。近年では2007年にウィル・スミス主演で映画化されたことは記憶に新しいところです。
『地球最後の男』では終盤に鮮やかな価値観の逆転が描かれます。自分なりに、こういうのを書いてみたいなと思い書いてみたのが『最後の人間と小さな侵略者』だったのですが、終わってみれば素人がましてや短編で手を出すには無謀だったかと反省しきりです。自分なりに、いろいろ挑戦してみたいと思っていますが、結果はどうあれ次回作につなげていきたいものです。
次回作は4月3日と4日にショートショートを掲載して、5日以降に短編を掲載する予定です。では、次の作品でお会いしましょう。
2012年4月2日 弐式
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