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人権救済機関設置は天下り先を増やすため?
なるほど。でも、何ごとにもいろんな見方があるはずだ。具体的に、城内氏がこの法案に対して問題だと指摘している点とは何か。そして、法案を推進する立場の人は、その問題点をどのように考えているのだろうか。衆議院の法務委員会(2011年8月)で実際にやり取りされた、城内氏の質問に対する江田法務大臣(当時)の答弁を紹介しよう。 |
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人権救済機関の権力が強すぎるのでは?
人権救済機関は権力の強い三条委員会とされている。城内氏は「法務省に人権擁護局がある従来の制度で人権侵害には対応可能。むしろ人権啓発活動などに力を注ぐべき」と主張している。委員会で城内氏は、強制力の弱い「八条委員会でよいのではないか」と質問した。

人権救済機関は独立性が命。内閣府に置くと政府直結。法務省にも刑務所や入管があるが、そうした政府の機関とまったく関係のないものを作るのは憲法上も問題があるので、独立性を保ちながら国会への説明責任などのために、経験や知識がある法務省の三条委員会として設置するという考え方である。 |
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人権救済機関の委員に外国人がなる可能性があるが?
人権擁護委員の資格は「地方参政権を持つ者」とされている。外国人参政権が法律として認められた場合、外国人が人権擁護委員となる可能性がある点を質問。
人権擁護委員の国籍条項の問題にはいろいろな意見がある。基本方針では、新制度のスムーズな移行のために、すでに60年以上続いている現行の人権擁護委員制度の要件を維持する提案になっているが、問題として指摘する意見があることは承知している。しかし、地方選挙への外国人参政権と人権擁護委員の資格の問題は同じものではない。(外国人の)地方参政権が広がった段階で、また議論されるべきものだと思っている。 |
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莫大な予算をかけて新しい委員会を作る必要があるのか?
事業仕分けに取り組み、震災復興などで予算削減が課題の今、どれだけの人員や予算をかけて新しい人権擁護機関を作るのか。城内氏は「公正取引委員会では職員800人で年間予算が約80億円」という例を挙げて質問。
人権委員会の権限や組織の大枠は基本方針で取りまとめたが、具体的にどうするかは引き続き検討を要すること。制度設計の詳細が固まってこないと予算規模は言えない。今はまだコスト面について具体的な検討を行う段階ではない。 |
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あまり知られていないが、すでに現行の制度でも全国でおよそ1万4000人の人権擁護委員がボランティアで活動している。現行の人権擁護委員制度では給与は支給されないが、職務の実費を弁償することになっていて、2009年度の予算は約10億円。新制度になれば、当然より多くの予算が必要になるはずだ。
なぜ、三条委員会という強力な新組織が必要かという明確な理由の説明もないまま新たな機関が作られるのは「人権を守るというキャッチフレーズに包み隠して、巨大な天下り先を作ろうとしているのではないかという見方もできる」(城内氏)のだ。
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