北朝鮮ミサイル発射予告期間 初日の発射見送りは基準以上の強風が原因か
発射予告期間初日の12日、北朝鮮は、ミサイル発射を見送った。その理由は、基準以上に強い風だったとの見方が浮上している。
12日、朝鮮労働党代表者会の様子が公開され、盛大な拍手の中、金正恩(キム・ジョンウン)氏が登場した。
正恩氏の背後では、祖父の故金日成(キム・イルソン)主席と、父の故金正日(キム・ジョンイル)総書記の巨大な像が見守る。
そして、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長は「金正恩同志を、朝鮮労働党第1書記に高く推挙することを、党代表者会議において提案します」と述べた。
代表者会で、正恩氏は、第1書記のほか、政治局常務委員、中央軍事委員長など、党の最高ポストを一手に握ることとなった。
新体制の発足と、15日の故金日成主席生誕100周年記念日へ向け、北朝鮮では祝賀ムードが高まっている。
金永南最高人民会議常任委員長は「永遠不滅の主体思想の創設者、金日成同志の生誕100周年を迎えている歴史的な時期」と述べた。
ピョンヤン市内で開かれていた「チュチェ思想世界大会」のひな壇には、日本からの招待客として参加した、デヴィ夫人の姿もあった。
一方、「最大の祝砲」ともいわれるミサイルは、12日、発射されることはなかった。
その理由について、日本政府関係者は、FNNの取材に対し「風が強かった。基準の倍の風速だったことが原因」と話した。
軍事評論家の岡部 いさく氏は「北朝鮮のミサイルにとって、風は重要な要素になるでしょうね。日本のロケットの場合でも、風速16メートル以下でないと、打ち上げができなくなるものもあるという話です。北朝鮮のミサイルは、それよりもさらに風に弱いかもしれません。ですから、発射直後に強い横風を受けると、コースを外れてしまったり、あるいは姿勢が保てなくなるということも考えられるわけです。特に北朝鮮は今回、外国に公開していますし、失敗できないわけですから、これは慎重を期しているのかもしれませんね」と語った。
日米は、12日のミサイル発射を予測し、構えを取ってきた。
こうした中、日本海にロシアの偵察機「Tu-142」が飛来した。
日米が、イージス艦などでミサイル防衛システムを展開する中、その情報収集のために飛来したとみられている。
残された北朝鮮のミサイル発射通告期間は、4日間となった。