緊急安全対策等の取り組み
東日本大震災で起きた津波はこれまで想定されていたものよりはるかに高いものでした。この津波によって、東京電力の福島第一原子力発電所は、全ての交流電源を喪失したため原子炉や使用済燃料プールを冷却する機能が働かず、放射性物質を外部に放出する重大な事態になりました。
このような重大事故を二度と起こさぬよう、主に以下のような津波対策等の安全対策を実施し、より一層の安全確保に努めてまいります。
- (1)緊急点検の実施
- (2)緊急時対応計画の点検及び訓練の実施
- (3)緊急時の電源確保
- (4)緊急時の最終的な除熱機能の確保
- (5)緊急時の使用済燃料プールの冷却確保
- (6)各原子力発電所における構造等を踏まえた対応策の実施
- (7)シビアアクシデントへの対応
安全対策の主な実施内容
ストレステストの実施
わが国の原子力発電所については、稼働中の発電所は現行法令下で適法に運転が行われており、定期検査中の発電所についても現行法令に則り安全性の確認が行われています。さらに、福島原子力発電所事故を受け、緊急安全対策等の実施について原子力安全・保安院による確認が行われており、従来以上に慎重に安全性の確認が行われていますが、原子力発電所の再起動に関しては、原子力安全・保安院による安全性の確認に疑問を呈する声も多くあります。こうした状況を踏まえ、政府の指示に基づき、原子力発電所の更なる安全性の向上と安全性についての国民のみなさまの安心・信頼の確保のため、欧州諸国で導入されたストレステストを参考に新たな手続き、ルールに基づき安全評価を実施しております。
定期検査中で起動準備の整った原子力発電所について、順次安全上重要な施設・機器等が設計上の想定を超える事象に対し、どの程度の安全裕度を有するかの評価を実施する。
欧州諸国のストレステストの実施状況、事故調査・検証委員会の検討状況も踏まえ、稼働中の発電所、一次評価の対象となった発電所も含めた全ての原子力発電所を対象に、総合的な安全評価を実施する。
経済産業省のホームページhttp://www.meti.go.jp/press/2011/07/20110722010/20110722010.html
また、ストレステストの進捗状況については、原子力安全・保安院のホームページで確認できます。http://www.nisa.meti.go.jp/stresstest/stresstest.html