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北の祝祭、見せかけ…合成映像・一般人に軍服?

読売新聞 4月18日(水)8時9分配信

 北朝鮮のミサイル発射に前後して、平壌などに滞在していた日本の訪朝団の複数の参加者が、現地の模様を証言した。

 ミサイルについて、当局者は相当な自信を持っていた様子だったという。発射直後に「成功」と聞かされた参加者もおり、北朝鮮内部での情報伝達の混乱ぶりが浮き彫りになった。過去の式典では熱狂的な民衆の姿ばかりが伝えられてきたが、実際は比較的冷静だったという。

 訪朝団は社民党の元国会議員ら約20人。「金日成(キムイルソン)主席生誕100周年」の記念行事出席のため、10日に北朝鮮入りし、その大半が17日、北京経由で帰国した。

 ◆内部で情報混乱?

 仏教を通じて交流のある最福寺(鹿児島県)の池口恵観法主らは発射前日の12日、ミサイルの管制室に招かれ、当局者から「発射した様子はあとでDVDで公開する。それでミサイルか人工衛星かを判断してほしい」などと説明を受けたという。一緒に訪朝していた参加者は「ずいぶん自信があるんだな」と感じた。

 しかし実際は失敗。この参加者の通訳男性は、結果を尋ねられ、公式発表どおり、「軌道に進入しなかった」と答えたという。ところが、訪朝団の一人、金丸信・元副総理(故人)の次男、信吾氏(67)は同行の通訳から「成功した」と聞かされた。信吾氏はその後ホテルに戻り、中国の衛星放送で失敗を知ったという。

 随行者から「成功した」と聞かされた参加者は他にもおり、公安当局幹部は「訪朝団の随行者は相当のエリート。そのメンバーですら正しい情報が入っていないということは、当時、北朝鮮内部は相当に混乱したのだろう」とみる。

 ◆見かけ倒し

 13日に行われた金主席と金正日(キムジョンイル)総書記の銅像の除幕式で、珍妙な光景を目撃した人もいた。銅像に近い前列には、筋骨たくましい軍人が胸を張ってずらりと並び、訪朝団のメンバーも「すごい」と圧倒された。ところが、ふと後方に目を向けると、小柄で貧相な男たちが、明らかにサイズ違いのぶかぶかの軍服を着せられ、所在なげな様子。「一般人が何かのイベントで軍服を着せられている、という印象だった」と、この参加者は振り返る。

 長距離弾道ミサイルなどが披露され、北朝鮮に招待された各国メディアが取り上げた15日の軍事パレードでは、現場で泣き叫ぶ観衆はほとんど見あたらず、拍手程度の静かな歓迎ぶりだったという。「意外と穏やかなので驚いた」と参加者の一人は言う。

 ◆合成映像?

 金正恩(キムジョンウン)氏の功績をたたえる記録映画の上映会に招かれた参加者もいた。正恩氏が金総書記に同行して軍事施設や農場を視察する姿が次々に紹介され、「正恩氏は、以前から金総書記とともに民衆を導く偉大な存在だった」とのイメージを植え付けようという意図とみられる。

 ところが肝心の映像の出来が悪かった。ある参加者は「金総書記が映っている昔の映像に、最近の正恩氏の姿を合成したように見えて、不自然だった」と苦笑いしていた。

最終更新:4月18日(水)8時9分

読売新聞

 

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