地方公務員:定年延長見送り、再任用で…政府調整へ
毎日新聞 2012年04月18日 02時30分(最終更新 04月18日 03時09分)
政府は17日、地方公務員の定年延長を見送り、国家公務員と同様に再任用で対応する方向で調整に入った。今秋の臨時国会に、定年後の再任用を原則義務づける地方公務員法改正案を提出し、国家公務員と同じ13年4月からの実施を目指す。
政府は従来、共済年金の支給開始年齢を13年度から段階的に65歳まで引き上げることに伴い、国家公務員と地方公務員の定年を60歳から65歳に引き上げることを検討してきた。
しかし、消費増税の前提として「身を切る改革」が求められる中、公務員を優遇する定年延長には批判が強い。高い給与水準が維持され人件費増につながる懸念もある。
政府は自治労や日教組が参加する公務労協にもすでに打診した。自治労などは定年延長を求めて再任用に反対の立場を示しており、調整は難航する可能性もあるが、自治労幹部は「地方の民間企業では定年延長どころか再任用も難しく、現実的には仕方がない」と語った。
政府は3月23日の行政改革実行本部と国家公務員制度改革推進本部(いずれも本部長・野田佳彦首相)の合同会合で、国家公務員の定年延長を見送り、希望者の再任用を原則的に義務づける基本方針を決めている。【大場伸也】