'12/4/17
サタケが新幹線モーター増産
精米機など製造のサタケ(東広島市)が、鉄道車両のブレーキ用モーターの生産を拡大させている。昨年からは東北新幹線の車両向けに供給。精米工場用モーターを出発点に、現在は国内外の16社の鉄道車両に採用されている。
東北新幹線は「はやぶさ」「はやて」などに使われている、昨年3月にデビューした「E5系」と呼ばれる車両向け。ブレーキパッドを動かす空気圧を生みだすモーターを、部品メーカーを通じ供給している。2005年から6年間の耐久試験をクリアした。
開発を始めたのは85年ごろ。アジアの精米工場の機械を動かすモーターに、低電力で始動し安定して回る性能が求められていた。90年、回転数を制御する外部機器を使わずに変速でき、電流や電圧の乱れないモーターを製作。事業は01年2月期から黒字化し、鉄道向けのほか、ビルの消火ポンプ用などにもモーターを納入している。
二酸化炭素の排出量の少ない鉄道の需要は世界的に高まる。開発に携わり、今は子会社の佐竹電機で販売を担う熊本一夫取締役(51)は「電力効率のよいモーターで世界に貢献したい」と意欲をみせる。
【写真説明】これまでに開発した電車のブレーキ用モーターを説明する熊本取締役