スイーツジェイピー
ナビゲーション リンクのスキップアニカンジェイピートップ > デイリーインタビュー一覧 > デイリーインタビュー
★アニカンインタビュー
『戦姫絶唱シンフォギア』原作者 上松範康×金子彰史インタビュー1
BD&DVD第1巻3月28日発売!!

人類を脅かす認定特異災害ノイズに立ち向かう、シンフォギアシステムを身に纏った少女たちの物語、アニメ『戦姫絶唱シンフォギア』。そのBlu-ray&DVD第1巻が3月28日に発売! 本作を生み出した原作者、Elements Gardenの上松範康氏とゲームクリエイター・金子彰史氏に、改めて作品の魅力を語ってもらった。


チーム感というか。業界にも人にも恵まれた

――そもそもの企画の成り立ちは、どんなところからだったんですか?

上松 2008年くらいだったかな? 音楽をメインにしたアニメを作ってみたいという衝動が生まれたんです。アニソン業界にいて、アニソンとは何ぞやって追求するにあたり、音楽だけ追求するのに違和感を感じたんですね。やっぱりアニメ×ソングだから、アニメとのシンクロ率を上げることが、アニソンを進化させることになるんじゃないかって。ちょうどその時、お世話になっているプロデューサーから「歌詞を書いてるんだから、物語の原案とかできないの?」って聞かれたことがあって。それを言われた時にズガーンって雷が落ちたみたいになって、企画書みたいなものを書いたんです。そんな感じでド素人がワーワーやっているときに、金子さんと出会うめぐり合わせがあり、「こういうのやりたいんですけど、何からしたらいいですかね?」って聞いたら、金子さんの目が少年の目になって「面白そうだね、ちょっと手伝わせてくれない?」みたいなことを言われたんです。

金子 アニメを作ったことがない人間がアニメを作ろうって、いい大人が本気で考えてるところにまずシビれて(笑)。自分もアニメは作ったことがないので、一緒にシビれようかって。

上松 そしたら、1週間くらいで13話のプロットが金子さんから上がってきたんです。それを5回くらい読んで「これはアニメにしなくちゃあかん!」みたいな気持ちになったのがスタートですね。そこからすごく時間はかかったんですけど。

金子 上松さんの話の中だと、金子がホイホイと作ったイメージがありますが、実は、この件から俺は降りるべきだと、何度もお断りしたんですよ。お手伝いはするし、100%協力するけど、最近のアニメをよくわかっていない人間が、公共の電波に乗る作品を作るのは、ファンに失礼じゃないかというのがありまして……。

上松 ずるいんですよ、書いた後に断るんですよ(笑)。

金子 で、やるやらないの話をするうちに、ほだされちゃった。

上松 ゲームの『WILD ARMS』で仕事をした時、この人は音楽家のパワーを引き出す天才だと思ったんです。「全曲歌モノのBGM書いてくれ」って、もう死んでくれって言ってるようなもので、その熱さというか。人間と人間の高め合いみたいなものをその時感じたんですね。一緒にやっていると、すごく引き出してもらえる。物語からも引き出されて、曲を書きたい意欲がすごく出てくるから、口説かない意味がわからないって感じだった。

金子 それでやられたんですよ。そんなこと言われたら、やっちまおうって気になって(笑)。

――その感じが、放送中の『戦姫絶唱シンフォギア』にもすごく出てますよね。

上松 そうですね。でも、すごく感謝してるのはアニメ業界の懐の深さ。素人2人が挑戦すると言った時に、応援してくださるファンもいれば、挑戦させてくださるアニメの制作会社もある。僕らの言うことを疑うことなく聞いてくださって、チーム感というか。だから、業界にも人にも恵まれたという感じです。


Text/塚越淳一(FAMiLIES)


つづく
2012/04/17 13:00:00