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今日にもミサイル 予告午前7時~正午

落下予告海域と自衛隊の迎撃態勢
落下予告海域と自衛隊の迎撃態勢

 北朝鮮当局者は11日、同国が「人工衛星」と主張する、長距離弾道ミサイルの燃料注入が北西部東倉里(トンチャンリ)の発射場で始まったことを明らかにした。注入が完了すれば発射準備が整ったことを意味し、今日12日にも発射される可能性が高まった。日本政府や警察当局は厳戒態勢に入り、ミサイルの落下に備えて部隊を配置。また、北朝鮮の朝鮮労働党代表者会は同日、首都平壌で行われ、故金正日氏を「永遠の総書記」、三男で新指導者の金正恩氏を「第1書記」に推挙した。

 弾道ミサイルは、気象条件などが整えば、今日12日にも発射されるとの見方が強まった。北朝鮮は12~16日の午前7時から正午の間のミサイル発射を予告している。「朝鮮宇宙空間技術委員会」によると、同国が衛星運搬ロケットとする3段式の「銀河3号」は液体燃料を使用。燃料注入完了後は機体が重みで不安定になる上、燃料タンクの腐食も進むため、発射は間近に迫っているようだ。発射施設がある東倉里の12日の天気は、晴れの予報。

 同委員会は発射の時期について「気象条件やロケットの準備完了だけで決まるものではない」としており、15日の金日成主席生誕100年に向けた政治日程なども考慮に入れるとみられる。ロシアのインタファクス通信は北朝鮮筋の話として、発射は14日に行われるとの見通しを伝えた。

 政府は11日午後、北朝鮮の弾道ミサイル発射に備え、首相官邸の危機管理センターに官邸対策室を設置した。藤村修官房長官は記者会見で、発射時期を分析しているとした上で「万々が一に対処しており、一般の皆さんは冷静に対応いただきたい」と呼び掛けた。情報収集に全力を挙げ、発射が確認されれば、全国瞬時警報システム(Jアラート)を使用。上空通過が予想される沖縄県内の各自治体に速やかに伝達する。

 警察庁もこの日、警備局長を長とする北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えた対策本部を設置した。沖縄県の全域で機動隊員らが即応できる態勢を取り、ミサイルの軌道に近い石垣、宮古両島には、落下時の被害に備えNBC(核、生物、化学)テロ対応部隊を配置した。ミサイルに使うとみられる液体燃料は、ヒドラジンと呼ばれ、毒性が強く、燃料が地上に飛び散った場合は、自衛隊の化学防護車を使う予定。燃料が皮膚に付着するとやけどを引き起こし、気化したガスを大量に吸うと神経系が侵され、死に至る恐れもあるという。

 [2012年4月12日11時20分 紙面から]







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