2011年 5月20日
ヒューマン HUMAN INTERVIEW 猫ひろしさん
五輪出場の夢抱き奮闘
走れる〝最速芸人〟と注目
1日の目標は帰宅までにやりきる。時間を言い訳にしない。
〈147センチの小柄な体。軽妙な動きと言葉で、お茶の間の人気者。2月の東京マラソンは2時間37分の自己ベスト更新で完走、注目を浴びた。夢はオリンピック出場と大きい〉
――昔からお笑いが好き?
学生のころから、よくお笑いライブに行きました。芸人になってからは、先輩から、ギャグを1日10個作って見せろと言われ、必死に考えて、毎日、披露してましたね。思いのほか、笑ってくれたんです(笑い)。自分が考えたギャグで笑ってくれるのがうれしかった。
――〝ギャグ100連発〟と題したネタも。本当に100個もあるんですか。
ありますよ!(汗) 1兆個ある。ただ、使えるのが、4個しかない(笑い)。
――走るのは、もともと好きだった。
中学、高校時代は卓球部。陸上の経験はなく、走り始めたのはここ3、4年です。テレビ番組がきっかけで、意外と速いと言われ、走る仕事が増えてきました。マラソンのタイムも毎年、20分くらい早くなっています。このペースだと、再来年には2時間を切る。世界新記録を出せちゃいますね(笑い)。
――日課は?
1日20キロ走って、5個の新ギャグを考える。これが僕の目標。忙しいけど、時間がないことを言い訳にしたくない。仕事の空き時間を見つけ、周辺を走っています。帰りも、自宅の最寄り駅ではなく、遠くの駅でわざと降りて、家まで走ります。家に帰ると、どうしても寝ちゃうから、帰るまでが勝負。帰宅までに1日の目標をやりきるようにしています。
――走る際に心掛けていることは?
とにかく楽しいことを考えます。終わったら、牛丼を食べようとか。レースの場合、自分の中では精いっぱい練習して、万全の準備をしたと自信があるから、案外リラックスして走れます。不安はほとんどなく、むしろ練習の成果を出せて、楽しいというのが本音ですね。
MEMO
普段はいたって真面目。「男はギャップで勝負ですよ」と冗談ぽく言う姿もかわいらしい。取材中は「猫」にちなみ、「夢はあきらめるニャー」と〝ニャー言葉〟を連発。受けても受けなくても、堂々と。根っからのお笑い好き。「好きな仕事だから、つらいことがあっても、へこたれない」。楽観思考で、お笑い「ランニャー」の道を走る。ひたむきさが魅力的だ。(剛)
■プロフィル
ねこ・ひろし 1977年、千葉県市原市出身。「WAHAHA本舗」所属のお笑い芸人。ライブ、テレビ、ラジオなどで活躍。ブログ「猫ひろしドットコム」も精力的に更新中。