猫ひろしカンボジア代表へ!一方ヘム・ブンティンは・・・。
どう書いたらいいのかまだ答えが出てませんが、決まった以上、カンボジア国民のために全力を尽くして頑張って欲しいです。
猫ひろしの一連の行動が正しかったのかどうかが分かるのはこれからです。カンボジアにマラソンを普及し、カンボジアを強くする事を期待します。
また自身も今回だけのネタにすることなく、カンボジア人としてあり続け、もっともっと強くなって4年後のリオデジャネイロオリンピックでは上位を狙えるよう努力することを期待します。
猫さんの行いが正しかったのかどうかはロンドンオリンピックどうこうだけじゃ分からないんじゃないでしょうか。
分かるのはこれからです。
一方、忘れてはいけないのはカンボジアのマラソン第一人者、ヘム・ブンティン選手です。写真の一番左の人です。
ヘム選手はマラソンで2時間25分のカンボジア記録を保持者で、北京オリンピックにも出場したカンボジア最強ランナーです。田舎で育ち、シューズもウェアも何も無い、サポートしてくれる人もいないところから一人で練習し、カンボジア国内記録を樹立した、苦労人です。
よころが彼は現在、カンボジア陸連から除名されています。理由はカンボジア陸連に反旗を翻したからという。夏の東南アジア選手権も走りませんでした。猫選手が2時間37分で走ったレースです。
ちなみにこのレースでは出場を予定していたカンボジアの選手3人が全員辞退し、出場したカンボジア選手は猫選手だけでした。
ところがどうやらこのレース、他のカンボジア選手たちが辞退した事実は無いそうなんです。それどころかどうしても出たいと直訴していたそうなんですが、カンボジア陸連から無理やり800mなどの別の種目に変えられたり、ヘム選手に関しては全ての種目の出場を禁止されたようなんです。
理由はカンボジア陸連が猫選手を選ぶため・・・と推測されても仕方ありません。
悔し涙を流したヘム選手はオリンピック代表標準記録Bの2時間18分を目標に自力でロンドンオリンピック代表を勝ち取るため、ケニアへ旅立ちました。彼はケニアにつてがあった訳でもありません。しかし2時間17分台を出せばカンボジア陸連も自分を選ばざるを得ないと思い、マラソン最強国へ武者修行に出たのです。
そしてカンボジア陸連に訴えました。
「4月15日のパリマラソンを走る。猫選手が昨年の僕の記録、2時間31分を上回るタイムを出したのは知っている。だが僕はパリで2時間17分台を出し、正式に標準記録を突破する。それまで決定を待ってくれないか。」
カンボジア陸連の答えは「分かった。好記録を期待している。」
そしてヘム選手は83日間に渡る猛練習に耐えました。
しかしヘム選手の出場するパリマラソンを直後に控えた3月下旬、カンボジア陸連はロンドンオリンピックのマラソン代表を、猫ひろし選手に決定したと発表しました。
もうこれは決定です。この後、ヘム選手がどんなタイムを出そうと、カンボジア代表は猫選手です。標準記録に届かない国に用意されている特例枠は一つなので補欠もありません。
しかしヘム選手はまるで諦めていません。
「ケニアでは最高の練習ができた。パリマラソンは絶対に2時間17分台を出し、オリンピックに出場する。」
ケニアでヘムを指導したコーチはこう言う。
「彼は厳しい練習に耐えぬき、大幅な向上を見せた。ロンドン五輪出場資格獲得の可能性は大きい。これまで何回か五輪へ帯同したコーチとして、私は言わねばならない。ブンティンは五輪に参加してカンボジアを代表する選手にふさわしいと。」
ヘム・ブンティン選手は最高の調子で挑めるよう3月31日にはすでにパリ入りをして、現在最終調整中です。
ここでヘム選手はオリンピック標準記録Bの2時間18分を切るのか。
あるいは標準Aの2時間15分まで到達するのか。
または猫選手の別大のタイム、2時か30分26秒を下回るのか。
いずれにしてもカンボジア代表はもう猫ひろしなのですが。
パリマラソンは4月15日です。
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