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コウナゴ自粛要請を解除

コウナゴ自粛要請を解除

東京電力福島第一原子力発電所の事故の直後、当時の国の基準を超える放射性物質が検出され、漁の自粛が続いていた茨城県沖のコウナゴについて、茨城県は、サンプル検査で安全が確認されたとして、県北部の海域を対象に、17日、およそ1年ぶりに自粛要請を解除しました。
茨城県沖のコウナゴからは原発事故直後の去年4月に、当時の国の基準値を超える放射性ヨウ素やセシウムが相次いで検出され、茨城県は県内すべての海域を対象に、漁業者にコウナゴ漁の自粛を要請していました。
茨城県は最近の放射性物質の状況を調べるため、3月中旬以降、北茨城市から日立市までの県の北部の海域でコウナゴのサンプル検査を10回行いました。
その結果、放射性セシウムは、検出されたなかったか、最大でも1キログラムあたり6.7ベクレルと、現在の国の基準値、100ベクレルを大きく下回ったことがわかりました。
このため茨城県は、県北部の海域のコウナゴについては安全が確認されたとして、17日、1年ぶりに自粛要請を解除しました。
県の中央部と南部の海域については、コウナゴの群れが確認できず、サンプル検査ができないため、自粛要請を継続するということです。今回、自粛が解除された茨城県北部では、3つの漁協に所属する船曳き網の漁業者がコウナゴ漁などを主力にしていて、原発事故以降、1年余りにわたって漁に出られない状況が続いています。
漁業者からは自粛解除を歓迎する声も聞かれましたが、消費者に受け入れられるのかといった不安も相次ぎました。
このうち北茨城市の大津漁協には船曳き網の漁業者、40人余りが所属しています。
50代の漁業者は「自粛の解除は大きな一歩ですが消費者が本当に買ってくれるかどうかは不安が残っています。あす漁業者で集まって今後出漁するかどうかなどについて話し合っていきたい」と話していました。
また30代の漁業者は「ずっと漁を止められて苦しい状況が続いていたので自粛の解除はうれしい。本当に売れるのか不安もありますが安全であることをPRして、1日も早く漁を再開したい」と話していました。
茨城県沖のコウナゴをめぐる動きです。
原発事故直後の去年4月初め、北茨城市沖でとれたコウナゴから1キログラムあたり4080ベクレルの放射性ヨウ素が検出され、国は急きょ、魚に含まれる放射性ヨウ素の基準値を2000ベクレルと定めました。
また、やはり北茨城市沖でとれたコウナゴから、1キログラムあたり500ベクレルの基準値を超える放射性セシウムが検出。
茨城県は沿岸全域を対象に、コウナゴの出荷と販売の自粛を要請しました。
コウナゴ漁を主力の1つにする茨城県内の船曳き網の漁業者は、一時全域で出漁見合わせを余儀なくされました。
しかし原発事故から1年が経ち、コウナゴなど「浮き魚」と呼ばれる魚種については、含まれる放射性物質が減少。
3月下旬、東京電力が福島第一原発から20キロ圏内の福島県沖で実施した調査でも、コウナゴの放射性セシウムは、最大で1キログラムあたり12.9ベクレルにとどまっていました。
茨城県と茨城県沿岸の漁協で作る組合は、今月から導入された国の新しい基準の半分にあたる1キログラムあたり50ベクレルを超える放射性セシウムが検出された魚などを対象に、沿岸全域または海域を限定して水揚げを自粛する独自の規制を行っています。
しかし茨城県によりますと、現在対象となっているのは、いずれもヒラメなど海底を中心に暮らす「底魚」でコウナゴなどの「浮き魚」は含まれていません。

04月17日 18時51分

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