大飯再稼働:閣僚会合での協議「議事録なし」
毎日新聞 2012年04月17日 20時30分(最終更新 04月17日 20時45分)
藤村修官房長官は17日の記者会見で、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を判断する関係閣僚会合をめぐり、事務方が退席した後の政治家のみによる協議について「自由討議であり、記録を残すような話し合いではない」と述べ、議事録を作成していないことを明らかにした。野田佳彦首相が原発の再稼働を「政治判断する」と明言している意思決定の場で、核心の議論を記録に残さない手法には批判が出そうだ。
閣僚会合には首相と藤村氏、枝野幸男経済産業相、細野豪志原発事故担当相の3閣僚のほか、民主党の仙谷由人政調会長代行、斎藤勁官房副長官が出席。藤村氏は、技術的問題などを説明した後に官僚を退席させ、首相ら政治家6人だけで協議する時間を設けていると説明した。
公文書管理法は、政府が重要な意思決定を行った過程を後日検証できるよう、文書に残すことを義務づけている。
政府は発言者の氏名をほとんど伏せた簡略な議事概要を公表している。藤村氏は会見で「議事概要に必要なことは盛り込んでいる」と説明したが、政治家だけの協議では「録音は止めていたと思うが、定かでない」とも述べた。【小山由宇】