先月28日に特別点検が行われた霊光原子力発電所(全羅南道霊光郡)2号機の非常用ディーゼル発電機が、試験運転中に冷却水用圧力スイッチの誤作動により、1分14秒にわたって停止するトラブルが発生した。原子力当局はこの事実を18日間にわたって公開せず、地元メディアが報じたのを受け、今月15日になって釈明する事態となった。韓国原子力安全技術院(KINS)は、古里原発1号機で発生した停電事故を受け、先月20日から全国の原発の非常用発電機の点検を行ってきた。KINSと原発を管理する韓国水力原子力(韓国電力公社の子会社)は「原発の安全の問題とは直接関連がない故障だと判断し、今月20日に点検の結果を発表する際に説明する予定だった」と釈明した。
非常用ディーゼル発電機は、原発の安全を守るための中心的な装置だ。昨年3月、日本の福島第1原発で発生した事故も、巨大地震によって外部からの電力供給が途絶えた状態で、原子炉を冷却する非常用発電機までが津波により浸水し、作動しなくなったことが引き金になった。韓国の原発にある21基の原子炉に設置された非常用発電機42台のうち、設置されてから20年以上たったものは18台ある。古里原発1号機の非常用発電機も、設置から34年が経過し、部品が古くなったことで故障が発生した。霊光原発2号機の非常用発電機も、設置から25年が経過している。この非常用発電機で問題が発生したのなら、国民に対しすぐに詳しく報告し、徹底的な補強を行うべきだった。
日本では福島第1原発の事故を受け、54基ある原子炉で順次点検を開始したが、世論に押され再稼働ができず、現在1基だけが電力を生産している状況だ。その唯一の原子炉も来月5日には点検に入るため、日本の全ての原子炉が停止することになる。
今年2月に古里原発1号機で発生した停電事故の場合、同原発の職員が共謀し、1カ月にわたって事故を隠蔽(いんぺい)した。国民は原発の関係者たちが、国民の命を守ることには関心がなく、原発のトラブルを隠そうとする特別なDNAを持っているのではないか、という疑念を抱いている。原子力関係者による今のような秘密主義は、原発の生死が懸かる大きなトラブルを招く自殺行為にほかならない。